2021年06月04日
話は遡り、僕が28歳の頃のお話し…
今日は珍しく快晴の日曜日のロンドン。
ビクトリアロイヤルホールのアンティークフェアと、待ちに待ったドールショーがある楽しみな一日。
本当なら一番にドールショーへ行きたいけれど、まねきねこはジュエリー&ドールのお店。
金曜日からスタートした買い付けでジュエリーは色々と買えたし、土曜日にはポートベローでジュエリー、エンジェルでテディベアも見つかった。
エンジェルにある素晴らしいドール専門店、デービットのお店にも行ったが、ドールショウでまた会えるので観に行っただけで買えてない。
何せ予算が限られているので常に残りのお金との相談だ…
素晴らしいゴーチェが居たけど、それを先に買うとドールショーは見ているだけになる…
約60万円もしていたが、先月の買い付けでは、デービットのお店で芦屋のエミールさんとバッタリ出会って、同じようなサイズのゴーチェを70万円で即決購入していた…
この子は前回も居たけど、今日まで私を待ってたから連れて帰るのよ…
エミールさんはあっさりと話してくれた…
流石だ…
僕もいつかそのようなディーラーになりたい。
エミールさんみたいになれるように頑張ります!と言うと、あなたは八百屋でも魚屋でもアンティークでも何でも成功できるわよ、大丈夫!といつも言ってくれる。
本当に優しい。
でも自分では不安ばかり…
とにかくアンティークが大好きなのでこれをずっと続けていきたい。
エミールさんはいつも励ましてくれるし、とにかく褒めてくれる。
不安な気持ちはいつもその言葉で助けてくれる。
いつかきっと…
エミールさんのような素晴らしい西洋骨董のお店をしたい。
でも現実はまだまだ先の話し。
今はとにかく日々を精一杯頑張るだけ。
そう思い、可愛いゴーチェに、またドールショーでね、と声をかけて別れた。
ブレンダのドールショップにも顔を出したけど、とても可愛いアーモンドマルセルとハンドワークがいた。
それぞれ10万円ほど。
この子達もドールショウでまた会えるので買えずに別れてきた。
ブレンダはドールショウの主催者。
あまり買えない僕にも丁寧に接してくれる。
話し好きなので、お客さんがいない時は早口で喋りまくる…
僕があやふやな反応だとアンダースタンド?とすぐに突っ込んでくる…
ほとんどが噂話しだけど僕はあまり繋がりがないので、アイドントノーばかり…
話している途中にショーケースの中で可愛いジュモーと目が合った。
ジッと観ていると3800ポンドと言われた。
日本円で80万円ほど…
無理だ…
クローズマウスのテートジュモーで可愛いけど、この価格ならデービッドのゴーチェの方が良い。
予算に限りがあると厳しい…
ジュモーは諦めて、アーモンドマルセルとハンドワークをドールショウで考えますと言ってお店を出た。
両替はダラクに来てもらって全て終えているし、明日コベンドガーデンの蚤の市へ行って梱包して日本へ帰る。
今回も一日中ロンドンに滞在できるのは3日だけと言うギリギリの買い付けだし、お金もギリギリ…
ジュエリーは目標のジャーン!と言うアピール度マックスのビクトリアンジュエリーは出会えたし、リング、ブローチ、ネックレスなどバランスよく良い出会いがあった。
明日のコベンドガーデンではビンテージジュエリーや、お値打ちなジュエリーを揃えられる女史とおじさんも居る。
古着や雑貨も楽しみ。
少ない予算で買える物が沢山ある。
あとはお人形だけだけど、珍しいジュエリー、雑貨、ベアなどと出会うチャンスがあるビクトリアロイヤルホールのアンティークフェア。
ここでしか会えない地方のディーラーもいる。
ドールショーがあっても何か他に大きなイベントがあるとそれを優先してきたスタイルは崩せない。
いつもの美味しい朝食を食べて、ロイヤルホールへ歩いて向かう。
歩いて10分ほどで行ける、とても便利で最高のアンティークフェア。
300年以上、もっと昔かも知れない大きな教会の横にある。
美味しいトルコ料理屋さん、スーパのテスコ、段ボールを調達させてもらう露天の野菜市のマーケット、バスタブや水道の機材を売るお店、郵便局を抜けて信号を渡ると住宅街へ。
路地に入ると大きなアメフトのグラウンド。
天然芝が綺麗で鮮やかなグリーンに癒される。
両サイドにはジョージアンからビクトリア時代の建物がずらりと並んでいる。
本当にロンドンの家は素敵な家ばかり…
いつかこんなアンティークの家に住んでみたい…
ロンドンの不動産王の方はロンドンで家を買うと絶対良いですよ!と言ってくれるけどまだまだ程遠い…
日本でも買えてないのにロンドンなど…
でも夢は大きく持ち続けないと。
諦めたらその時点で終わり。
通りには樹齢300年以上経っているような巨木が綺麗に揃っている。
朝は空気も冷たくて心地いい。
5月でもかなりヒンヤリしている。
会場に到着するとすでに50人ほどの人が列を作っている。
30分前なのに本当にロンドンの骨董熱は凄い…
新聞をジッと読んでいる人もいれば友人と楽しくおしゃべりする人もいて、それぞれに緊張感を持ちながらオープンを待っている。
このドキドキ感は毎回変わらない。
この瞬間を、遠い国で味わう事が出来て、本当に感謝しかない、と心の中で教会を見ながら改めて感謝する。
古着屋から始めてロンドンへ買い付けに来れるまでになれた。
何にもなかった自分にとって、この時点でも大成功と言える。
でも古着を朝晩集めている時も、いつか絶対にアンティークショップをする!ガレ、ドーム、ジュモー、ブリュ、ビクトリアンジュエリー!と車内で大声を出しながら軽自動車で神戸の街を走り回っていた。
野球と音楽しかしてこなかった自分が、こんなに大好きなアンティークの世界と出会えて最高に幸せ。
いつも心の中で感謝を繰り返す。
それも18歳前後で貧困を極めて生活していた自分が…と、片時もその時の気持ちを忘れない。
大きな扉が開き、アンティークフェアの開店。
沢山並んでいた人があっと言う間に散らばり、会場は大賑わいに。
僕はここではいつも左回りでスタートする。
入り口でどう見てもおかしな顔のミッキーマウスのようなぬいぐるみがいた。
聞いてみるとディーンズ製で1920年頃の物だよ!と。
口はニヤけていて身体は極端に細い…
大阪のイベントでこれを並べていたら、パチモンのミッキーマウスや!と言われるやろうな…
価格を聞くと100ポンド…
約二万円…
パチモンと言われる可能性のある物に二万円は高い…
諦めて進むとオーストリアのジュエリーを扱うディーラーがいた。
その中でオーストリアンハンガリアンと呼ばれる、ルネッサンス様式のペンダントがあった。
価格を聞くと500ポンド…
10万円は少し高い。
リングもあったので聞くとそれは300ポンドで少し安いし、石はエメラルドとパールとルビーが入っていて素敵なデザイン。
裏側にも細工がされている。
予算が無いので250ポンドになりませんか?と言うと、あなたは毎回来てくれるから良いよ!と言ってくれた。
6万円と5万円は大違い。
また次も楽しみにしていますと言って別れた。
袋から取り出して眺めると本当に素晴らしい。
指に着けてみるとサイズもピッタリ。
そのまま着けて会場をまわる。
アンティークは元々誰かが使っている物なので、自分で使っても価値が下がらなくて最高だ。
割と大きめで目立つので、他のお店の方にもすぐ目が入り、ベリービューティーフル!と声をかけてもらえる。
みんなアンティークが好きでしている方がほとんどなので、アンティークを着けていると絶対に話しかけられる。
ついさっき向こうで見つけたんです!と言うと、心の底から悔しがっている。
オーマイガッ…
首を横に振りながら残念がっている。
本当にアンティーク熱が高い。
左横のひな壇の上のブースには古着屋さんがいる。
そこへ行くと綺麗な色のツィードのジャケットがあった。
サイズをみると48。
ピッタリサイズだ。
早速着てみると後ろからジャストサイズ!と夫人が声をかけてくれた。
そして鏡を見せてくれて、価格を聞くと良く似合ってるから10ポンド…
二千円…
これは安い。
難波のアメリカ村なら1万円以上はする。
1950年代の物だよ!と教えてくれた。
このまま着て行きます!と言ってお金を渡すとワンダフル!と言ってくれた。
そして同じひな壇のブースに地方から来られるお値打ちなジュエリーショップの女性のお店に行くと、コウモリの珍しいブローチがあった。
価格を聞くとアール・ヌーヴォーの物で300ポンド。
さっきのオーストリアと同じ。
さっきと同じように、250ポンドに出来ませんか?と言うと、あまり付けていないから280ポンドまでならします、と言ってくれた。
こう言う場合はこの方の仕入れ金額は250ポンドだ。
ロンドンでは無理は言えない。
パリならもっと値下げできるお店もあるが、ロンドンはそんなに付けていない。
実際にオークションでディーラーと遭遇して仕入れ価格が分かっている時があったけど薄利で付けていた。
薄利の10%の利益は当たり前の世界のロンドン。
コウモリを良く見せてもらうと裏側にも繊細なシルバー細工がされている。
目にはガーネット。
流線型の細工はアール・ヌーヴォーそのものだ。
フクロウと同じでコウモリは夜のお守りになる。
これを頂きますと伝えると、袋を探し出したので、このジャケットに付けていきます!と伝えてジャケットを脱いでしっかりと付けた。
色合いも大きさもデザインもピッタリでビックリ…
ご縁があったに違いない。
会場を出る時には、ここで出会ったジャケット、ブローチ、リングを着けて別人になった気分。
本当にアンティークの世界は素晴らしい!
そしていよいよドールショウへ向かう。
ビクトリアからケンジントンまでは少し距離がある。
日曜日でタクシーは少ないけど、駅まで歩いて地下鉄を乗り継いで行くと30分はかかる。
タクシーがいれば平日と違い渋滞もないので約15分で到着する。
そう考えながら住宅街を歩いて教会の横に出ると真っ黒なロンドンタクシーがオレンジの空車のネオンをつけながら走ってきた。
すぐに手をあげると止まってくれた。
ケンジントンタウンホールへ!
ドアを開けて飛び乗るとワクワクしてきた。
良いタイミングでタクシーが来てくれたので、良い出会いが待っているに違いない。
時計をみると11時を過ぎていた。
ドールショウは11時からなので沢山の人で賑わっているだろう。
タクシーの車窓からみるロンドンの街並みは本当に素晴らしい。
観光などはほぼしたことがないので、このタクシーの移動こそが観光のようなもの。
デパート街を抜けて大きな教会が目印のチャーチストリートに入ると、もうすぐ近くだ。
高級住宅街に入って行き、一方通行の坂道を下っていく。
駐車場の入り口あたりで、ここで大丈夫です!と伝えて料金とチップを払い会場へ向かう。
会場入り口で入場料を払い、チケットと次回のポスターをもらって中へ入る。
1階、地下、2階と3つのホールに分かれていて、メインの1階のグランドホールへ。
大勢の人で賑わっていて通路も人で埋め尽くされている。
ワクワクしながら入ろうとすると、大きなぬいぐるみばかり扱う女史がハローと挨拶してくれた。
彼女とはアーディングレイのフェアで仲良くなった。
田舎でゆったりしたイベントで面白いぬいぐるみを分けてもらった。
その時に色々とぬいぐるみの歴史の話を教えてくれた。
でも今はそんな時間はないので、またね、と言って中へ入る。
グランドホール入り口すぐ左側は主催者のブレンダが広いブースで50体以上のドールを並べている。
すでに大忙しで沢山の人に囲まれている。
僕と目が合うとウインクしてくれた。
そしてここでは右回りでみてまわるので、左側から進んでいく。
素晴らしいドール、ドールハウス、テディベア、アーティストドールなどが。もう数千体は並んでいる…
今回は季節もいいのか凄い数だ…
まずはゆったり見て回ると時間が足りなくなるので、素早く見ていく。
そして目に飛び込んでくるドールやぬいぐるみが有れば手に取って見せてもらう。
サーっと進んで行くと素晴らしいフレンチドール専門の店があった。
ジッと見ていると、声をかけてくれて、パリから来ているとの事。
ブリュ、ジュモー、トリステ、スタイナー など本に掲載されているような素晴らしいドールがずらっと並んでいる…
確認しただけで、これはダメだ…と思って次へ行く。
とても僕の予算で買えそうな人形は無い…
するとシャーリーテンプルやドイツ人形がグタグタに並べてあるお店があった。
どれも悪い姿勢で面白い展示だ。
それも大きなシールで価格を張り付けていてとても安い…
人も沢山いて、みんな片手に見つけたドールを抱えながら見ている。
そこで横目になった可愛いカンマー&ラインハルトを見つけた。
価格は300ポンド。
ブレンダのお店で一回り小さな子がいたけど700ポンドはしていた。
勝手に手に取り目を左右に動かしているとオーナーの女史がラブリードール!200ポンドで良いよ!と言ってくれた。
エッとびっくりした顔をするとウィンクしてくれた。
僕も片手に人形を抱えながら他の子も見る。
みんなと同じ姿になった。
本当に安いし、優しい女史だ。
次は大きめのシャーリーテンプルと目が合った。
価格は200ポンド。
日本での相場は8万円から12万円。
衣装もオリジナルでバッジも付いている。
オレンジの衣装も鮮やかで綺麗。
また女史がそれを見てワンフィフティ!と言ってくれた。
150ポンド…三万円。
その子も抱えて両手にドールとなった。
そして大きなドリームベビーもいて可愛いなと思って、手に取りたいけど両手が塞がっていてどうしようと考えていると、女史が見せてくれようとボディを持った瞬間に頭がドスンと外れてテーブルの上に転がった…
音にびっくりした他のお客さんもその光景を固まって見ている。
僕もアーッ…と思っていると女史が大声で笑いながらクレージーボーイ!と言ってそのまま頭を拾ってくっつけた。
片手にドールを抱えたみんなも大笑い。
僕だけは割れなくて良かった…と安堵していたら、女史がこれはどうする?と聞いてきたので考えますと言うと首が取れたからか!とまた大笑い。
豪快な店主だ…そしてやはりコメディの国。
日本ならホラー扱いで、その光景で大笑いは絶対に起きない。
それにしても下に落ちていたら確実に割れていたので本当に良かった…
350ポンドを払ってお人形を頂いて次へ進む。
すると右側の通路にバーミンガムで出会ったぬいぐるみのお店の女性がベアを並べていた。
ベイビーフェイスでとても綺麗な女史だ。
バーミンガムでとても可愛いぬいぐるみを分けてもらい、その後には地方のフェアでも出会った。
名前はまだ知らなかったけど、優しくて色々なイベントやフェアの情報も教えてくれる。
今回も可愛いシュタイフベア、動物、イングリッシュベアも並べている。
今回はお人形を探しに来た頃を伝えると、私の友達は沢山素晴らしいドールを持ってますよ!と教えてくれた。
横に一緒に出している女史を紹介してくれた。
その方もとても素晴らしい、優しい笑顔で、ベアの女性の母親ほどの年齢でステキな方だった。
そしてその時、それぞれに名前を言い合い、初めて名前で呼び合うようになった。
そしてその友人のお人形を見せてもらうと、それはそれは素晴らしいコレクションだった。
元々コレクターで、最近イベントに2人で出るようになったとの事。
その中で小ぶりで淡いグリーンの衣装を着たゴーチェが目に入った。
価格を聞くと3500ポンド。
デービットのゴーチェと変わらないがこの子の方がさらに可愛い。
そして奥に可愛いトランクに入ったプレゼンテーションのドールがあった。
小さなアクセサリーが色々と入っていて凄く状態が良い。
人形はケストナーで20cmほどの小さな人形がトランクに収まり、衣装やアクセサリーがビッシリ詰まっている。
こんなドールは初めてみた。
価格を聞くと同じく3500ポンド。
やはり高い…
あと100万円ほどしか残って無いのでさっき買ったこの分を引くとコベンドガーデンのお金が無くなる…
頭の中で計算していると、何かヘルプしようか?と声をかけてくれた。
そして正直に、予算が少ないので残りのお金と相談していますと話した。
女史は微笑みながら、焦らずにゆっくり考えて下さいと言ってくれた。
押しも強くなく、おっとりゆっくりしていてずっと微笑んでくれている。
他のお人形の方は豪快な方が多く、こんな雰囲気の方は初めて。
プレゼンテーションを眺めていると、女史がリッスン!と言いながら大きなトランクを開けると、大きな人形が入っていた。
出し忘れていたみたい…
そしてパッキンを解くと80cmほどのゴーチェが出てきた。
茶目が大きくてとても可愛くて見た瞬間に一目惚れした。
価格を聞くと中々価格を教えてくれずに悩んでいた…
僕が予算が無いと言ったからかな…
そして申し訳なさそうに3000ポンド…と。
デービッドのゴーチェと同じ価格でそれもこれだけ大きな人形は中々いない。
迷わず買います!と伝えると笑顔を返してくれた。
本当はもう少し高かったのだろう。
お金がない僕へ譲るにはどうしようか?と考えてくれた。
本当に嬉しくてお金を払うと、この子は長い間コレクションしてたのよ、と教えてくれた。
そして自分は移民してきてロンドンにいる事など色々と話してくれた。
でも大好きな人形に囲まれて生きてこられて今は幸せよと。
僕はそれを聞きながらも素晴らしいプレゼンテーションに目が釘付けとなったいた。
女史は微笑みながら、あなたのことは友人から聞いていて、毎月のように日本から来ているのよね?と言ってくれた。
頷くと、一つアイデアがあるけど、お金は後で良いから日本へ持って帰り、売れれば後でお金を持って来れば良いよ、と提案してくれた…
パリのお人形店でも同じことを言われた…
そんな事は2度と無いと思っていたらロンドンでも…
僕はこんな高価で珍しい物が売れるかどうかも分からないし、自信がないですと言うと、来月もロンドンへ来るの?と聞かれて、その予定ですと伝えると、もし次のロンドンまでに売れなければまた持って来たら良いよ、と言ってくれた。
びっくりしたけど、それを聞くと少し楽になり、本当に良いんですか?と確認すると梱包を初めていた。
大きなゴーチェと素晴らしいトランクに入ったプレゼンテーション。
まだ見て回るなら置いておいてあげるよ、と言ってくれたので、感謝します、そしてあなたの優しさにも感謝します、ベリーカインドと行って次へ進んだ。
本当に素晴らしい方との出会いがあった。
あんなに優しい笑顔で心が広く、そして素晴らしいコレクションを揃えている。
ベアの女史とドールの女史。
仲の良い友人同士と言うのは良くわかる。
2人共とても優しい。
今日のドールショウはもうこれで充分だ。
次へ進みながらも夢心地の気分で楽しく観てまわれた。
素晴らしい出会い、ご縁は全て繋がっている。
その素晴らしい出会いに心から感謝して、ずっと大切にしていかないといけない。
中々来ないタクシーがすぐに来た幸運は繋がり、今日は素晴らしい日となった。
もう今すぐにでも、お人形達を抱えてホテルへ戻りたいけど、せっかくのドールショウを全て楽しもうと足を進める。
続く…
皆さんお元気でしょうか?
季節は6月になり、梅雨空もありますが、晴れの日もあり、異例の早さの梅雨入りを考えると良かったなと思える感じですね。
まだまだ集中豪雨などの油断は出来ませんが…
日に日に高温多湿になるにつれてコロナ感染も少なくなっているようですね。
そちらも油断せずに予防対策を緩める事なく続けたいと思います。
今回は本当に久しぶりにアンティーク買い付け物語を書きました。
と言うのは、この中に出てくるマーリス女史の訃報が届いたのです…
2019年のロンドン買い付けで最後にお会いして、コロナ禍になりロンドンへ行けなくなり、去年に連絡を取り合って、つい最近もSNSなどで元気にされていると確認出来ていたので、まさかと言う訃報でした。
僕が28歳の頃に出会い、それからずっとまねきねこのメインのお人形はその女史から分けて頂いていました。
特にプレゼンテーションのコレクションは世界一だと思います。
まねきねこでは長年、食器付き、家具付きなどの珍しいプレゼントテーションを長年展開してきましたが、全てここから出ていたんです。
数年前には梅田阪急百貨店でマーリスコレクションと題うってドールイベントも行いました。
人間的にも本当に優しく、素晴らしい人でした。
ヘビースモーカーでワインが大好き。
日本のタバコをお土産で渡すと日本のは美味しいのよ!と喜んでくれましたし、ロンドンの他の方に美味しいワインを頂いたりすると、必ず彼女に持っていきました。
僕は荷物になるし、喜んでもらえるし一石二鳥ですね。
もう30年近くもご縁がありましたし、ロンドンに行くと必ず会えるので、いつでも会えると思っていました。
コロナ禍がなければ2020年には5回、今年は2回会えるはずでした。
本当に悔しいです。
新型コロナウィルスには恨みしかありません。
家族の方の喪失は計り知れません。
ここ最近ではドールショウにはアフロヘアのお孫さんを手伝いに連れてきて、いつもそのヘアスタイルを見てクレイジーと笑っていました。
以前に亡くなった天使のようなヘザー、そしてマーリスと、この天使の2人が、まねきねこのドールを支えてくれた源流であり源泉です。
いつでも素晴らしいドールを揃えてくれて、愛情たっぷりかけられた素晴らしい箱入り娘達を譲って頂いていました。
ヘザーが亡くなってからはマーリス1人となりましたけど、ヘザーの不在を感じないほどの存在感で支えてくれました。
去年も素敵なEJAの写真を送ってくれました。
今年に入ってもSNSでのまねきねこの発信にいいね!としてくれたり、ずっと見守ってくれていました。
お金の無い僕を大切に育ててくれ、本当に守ってくれました。
貴方がいたからこそのまねきねこの継続であり発展です。
本当に心からご冥福をお祈りします。
もう二度と素敵な笑顔を見ることはできないけれど、思い出すとすぐに素晴らしい笑顔は出てきますし、良い写真も沢山あります。
貴方のようにいつでもどこでも笑顔をふりまいて過ごせるように努力していきます。
85年の生涯はナチスから逃れてヨーロッパ中を巡り歩いて、相当な苦労を経て最後はイギリスで幸せに暮らして周りの全ての人に笑顔を振りまいて幸せを分け与えてくれました。
今では考えられないような苦労があったからこそ、寛大でおおらかで優しい人間性と笑顔が出来たのだと思います。
一緒に過ごせた大切な時間を宝物にして頑張って行きます。
安らかにお眠り下さい。
心より御冥福をお祈りします。
悲しいお知らせとほぼ同時に、来週にはアメリカとイギリスからドール達がやってきます。
これも彼女が呼び寄せてくれたのかも知れません。
本当にドールを愛していましたので。
49日まではこの世にとどまり、自分と関わった様々な場所や人に会いに行くらしいので、きっと沢山のドールを観にきてくれると思います。
彼女が喜んでくれるように、みんな可愛く展示したり撮影したいと思います。
サイトにも書いていますが、神戸店とこちらのサイトで紹介していきますね。
ジュエリーはまだ発送されていませんが、同じになるかどうかですね。
ジュエリーもかなりの数が入る予定ですが、初めてのオークション会社なのでスピードがかなり遅いです…
メールで急かせて頑張ってもらいます。
それでは皆さん、まだまだ梅雨は続きますし、コロナ禍も続きますが、日々の時間を大切に楽しく過ごして乗り越えていきましょう。
本当に人はいつ亡くなるか誰にもわかりません。
いつそのような瞬間が訪れても大丈夫なように、一瞬を大切に有意義に過ごしたいと思います。
朝、普通に起きれた時は、生きていて幸せ!と思えるような時間を過ごしていきましょう。
当たり前のようですが奇跡の瞬間ですから。
それではまた。
28歳の頃を思い出して、当時のアンティークの価格を思い出し、今は天国だなと思える店長でした。
当時はオープンマウスのジュモーが80万円、クローズマウスジュモーが150万円。
ゴーチェが150万円。
エミールジュモーは250万円。
ブリュは1千万円。
ATなど見かけもしないし有れば1500万円から2000万円でした…
アーモンドマルセルは18万円…
本当に今は天国です。
良い時代だと思います。
まだまだお値打ちにできるように努力を続けたいと思います。
やはり価格が安い方がどなたでも楽しめる世界となりますので。
それでは皆さん、お元気でサイト、神戸店でお会いしましょう。