2015年11月15日
皆さんお元気でしょうか?
僕は今はロンドンにいます。
今回のパリのテロで、沢山のご心配メールを頂きましたので、こちらにて無事のご連絡をと思いました。
みなさん、本当にご心配ありがとうございます。
日常の中に、僕の事を思い出して頂けるなんて、感謝しかありません。
今回は実はパリには行く予定でした。
それも被害の大きかった劇場の近くのアパルトマンに住む、人形コレクターへの訪問でした。
僕の事情で2週間前にお断りの連絡をしていました。
花の都パリがこんな事になるとは、本当に心の痛い出来事です。
普通に過ごしていて、楽しくしている最中に、突然の爆発、銃撃で命を絶たれる…
想像すら出来ない悲惨で絶望的な状態。
ロンドンでも昨日、近くのガトイック空港で爆発物騒動がありました。
イギリスでは、アメリカでの同時多発テロ事件以来、長く続いたIRAの爆弾テロが無くなりました。
カトリックとプロテスタントの宗教の事情でのテロで、多くの方が犠牲になり、バス、駅など、いつ巻き込まれてもおかしく無い状態が長く続いていました。
僕自身も間一髪で巻き込まれるところを、回避出来た思い出もあります。
その悲惨な無差別テロでしたが、同時多発テロで、IRAが停戦すると発表したのです。
アルカイダなどと一緒にされたら、自分達の信念を誤解されるとの事でした。
それ以来、ロンドンは安全になりましたが、違う勢力がヒースロー空港へ爆弾を放たれる寸前に逮捕したり、違う爆破があったりと、フランス同様、テロとの戦いは続いています。
僕の考えですが、暴力に暴力で対抗しても、絶対に解決には至りません。
イラク戦争、アフガニスタンの湾岸戦争など、結局は相手を抑えるどころか、テロの増発、イスラム国の創造を生み、悲しみの連鎖が大きくなりました。
この機に、ノーベル平和賞をもらい、核廃絶を宣言した、同時多発テロの被害者でもある、アメリカの大統領、オバマさんが、ISのトップと会談してほしいです。
暴力の連鎖を止めるのは、様々な謝罪、対話しか無いと思います。
対話の出来るような相手ではないかも知れませんが、オバマさんが対話を申し入れると相手は会うと思います。
そして今までの経緯、誤解、謝罪などをして、1度ではもちろん溝は埋められ無いと思いますが、対話を重ねる事で、流れは必ず変わると思います。
相手は同じ人間ですから。
暴力で一掃などは、絶対に出来ません。
さらなるテロ、戦争を起こすだけです。
アラブ諸国とアメリカには、根強い恨み、わだかまりがあります。
それらを、全て棚に上げて、これからの未来、そして、彼らの存在、価値観も認めて、平和への道筋をお互いに見出す事は可能だと思うのです。
それこそが国際社会、グローバルな世界だと思います。
世界中から武器が無くなれば戦争も起こりません。
銃社会アメリカが武器を捨て平和へと先頭に立つ。
お金もかかりませんし、世界中が仲良くなれば素晴らしい世の中になります。
それを、世界1の大国、アメリカが率先して行動を起こせば、必ず流れや風向きが変わると思います。
それが出来るのはオバマさんしかいないと思います。
ブッシュなどのような人が大統領なら、間違い無く目には目をとなり、戦争です。
いつも神社などでは世界平和もお願いしています。
中国との争い、中東との争い、ロシアとの争いなど、全てやめて仲良く出来る世の中が、いつか来ることを心から願っています。
僕がロンドンで泊まるホテルはアラブ人の経営で、スタッフも全てアラブの人達です。
とても親切で情が深く真面目な人ばかりです。
ホテルのリビングでは衛生放送のアルジャジーラがずっと流れています。
それでも、宿泊している、アメリカ人、中国人など様々な国の人がそこで過ごしていますが、何にも問題はありません。
個人の人間同士は全く争いは無く、仲良く出来るんです。
ですが、国の争いなどで、犠牲になるのは一般の人です。
日本でも戦争への法案を強行裁決したり、武器を作り、輸出する法案もありますし、原発の輸出など、世の中が平和へとなる政治とは程遠く、逆行しています。
それはおかしい!とデモや高校生達など若い人が立ち上がりました。
頼もしい限りです。
みんなの思いはひとつです。
戦争をなくし、平和な世の中。
その強い思いは必ずいつか叶うと信じています。
僕が23歳でわずかなお金で行った初めての海外旅行、初めての買い付けがパリです。
アンティーク=イコール、フランス、パリだ!と思い込んでいました。
古着屋を始めた頃、書籍、地球の歩き方を古本屋で見つけて、そこに書いてあった蚤の市情報、それを見た瞬間にパリに行きたい!と強く思いました。
コツコツお金を貯めてついに念願の憧れのパリへ!
そして初めて見るパリは夢のような世界で、素晴らしい建築物、雰囲気、蚤の市の素晴らしさ、全てが想像通りの世界でした。
ヴァンブーの蚤の市で大道芸人が踊ったり、アコーディオンで演奏、オルゴールでのお芝居などの素敵な演出があり感動しました。
アニメ、母を訪ねて三千里のペッピーノ一座のような人もいました。
クリニャンクールで、バリーマニロウと、アランドロンと遭遇したり、夢のような初めての買い付けでした。
モントレイユの蚤の市では、観光客の方が、4,5人に取り囲まれ、カバン、カメラなど、全てを身ぐるみ剥がされている、衝撃的な怖さも目撃しました。
そして運命的な出会いもありました。
アンティークドールの大御所との出会い。
それからドールを扱うこととなりました。
まだその時は古着屋さんでした。
パリの片隅の小さな骨董屋さんで、女性店主に、あなたは、私の店に入ってから、ずっと見ていて喜んでいるジュエリーは、全て私がロンドンで買い付けた物ばかり。
貴方は買い付けに来るならロンドンへ行きなさい!と言われ、パリしか頭に無い僕への突然の忠告。
言われた時は、なんで花の都パリでは無く、暗いイメージの霧のロンドンに行かないと行けないのか!と心の底では思っていました。
でもその後帰国してから出会って、ずっと可愛がって頂き、お世話になったエミールさんにも、せっかく12時間かけて遠くのフランスに行くなら、飛行機で1時間で行けるロンドンにも行きなさい!、勿体無いわよ!と言われ、2人の人に言われたし、それなら一度行ってみようと行くことになったロンドン。
それが運命的なロンドンへとのご縁でした。
人とのご縁、出会いは大切です。
そして人の意見も。
来てみたら、本当に相性は抜群、僕の好きな物ばかり、紳士的な人、淑女との素晴らしい出会いなど、想像とは違い、1回で大好きになり、それ以来はロンドンがメインで、パリには1日か2日滞在と言う流れとなりました。
パリでの最初の女性店主の言葉、そのシーンは鮮明に覚えています。
そんなことを言う人はどこにもいないと思います。
自分の仕入れ先をアッサリと言い、それもぶっきらぼうな言い方で、ロンドンへ行きなさい!と言う人は…
今でも神の声としてずっと感謝しています。
時間があれば時々訪問しています。
その話をしたら、そんな事、私言ったかしら…とカッコいい方です。
なので、僕の今のまねきねこの発祥の地はパリなんです。
古着屋からドール、ジュエリーへと移行して行くきっかけをくれた、素敵な街、パリ。
今回行くはずだったパリのコレクターからも連絡がありました。
貴方は来なくて良かった、来ていたら被害に合わなくても、ロンドンや、日本には予定通り戻れないところでした、と優しく言ってくれました。
自分の住んでいるところが大変な時に…
その方はドイツからの移民の方で、とても優しく20年来のお付き合いです。
昔はお店をしていましたが、今は隠居して、長く集めてきた人形を少しずつ手放してくれています。
一刻も早く、パリの街が平和で安心出来るようになる事、そして今回の犠牲者の方に、心からお悔やみを申し上げます。
世界平和を心から願います。
洋館店で開催した、買い付け直前セールは、2日間共に沢山の方がご来店されて、大賑わいになりました。
本当に沢山の方に来て頂き、改めて、まねきねこは皆さんに支えられている事を実感しました。
洋館店にお越し頂いた皆さん、本当にありがとうございました。
洋館店では、11月27・28・29日に、年に二度開催の洋館アンティークフェアを開催致します。
土日は二階レストランでフレンチも楽しんで頂けますが、そちらのご予約もかなり入っています。
まだ大丈夫な時間帯もありますので、是非この機会にご予約下さい。
食事はご予約が必要ですが、フェアへのご来店は、ご予約は一切いりません。
興味のある方はご遠慮無くお越し下さい。
まねきねこ店内全てのアンティーク、買い付け後の新着のアンティーク、音楽室でのピアノの演奏会、そして文化財でもある、洋館店の建物、雰囲気などを味わって頂けます。
アンティーク好きな方には、楽しみてんこ盛りの洋館フェアです。
皆さんのお越しを心よりお待ちしています。
帰国後は、洋館フェアより先に、京都大アンティークフェアも開催されます。
そちらにも持っていけるだけのアンティークを陳列して、出店しますので、京都大アンティークフェアへ是非お越し下さい。
それでは、皆さん、ご心配おかけしましたが、僕は大丈夫ですので、このまま来週の帰国に向けて最後まで、頑張りたいと思います。
皆さんに喜んで頂ける、素敵なアンティーク達と共に、無事に帰れるように最後まで気をつけていきたいと思います。
そして、皆さんに心配して頂いたり、気にかけて頂いているからこそ、僕は安全に守られていると思っています。
心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。
帰国後に、元気に京都大アンティークフェア、洋館アンティークフェアでお会い出来ますのを楽しみしています。