“アンティークまねきねこ”は、ヨーロッパのアンティーク・ジュエリーとドールの専門店です。
19世紀から20世紀にかけてのアンティークジュエリー、コスチュームアクセサリー、ビスクドール、テディベアなどが勢ぞろい♪ ☆素敵な出会いがありますように☆☆☆

ホーム店長日記2009年12月
2009年12月
店長日記:3
2009年12月24日
先月11月の買い付けのはなし・・・

今回の買い付けは、出発前にロンドンのブレンダ女史からのメールで気分が落ち込んでいた・・

何年も開催されていたドールショーが開催されないかもしれないとの、長文メールが出発10日前に届いた。

ブレンダが代表として、世界からお人形店が集合する素敵なイベントを長年運営してきたのに、こんなに急に中止になるとは思いもしなかった・・

やはり世界同時不況の波が、ドールショーにも襲い掛かってきたのだろうか・・・

それでもかすかな望みを抱いて、ロンドンへと旅立った。

そしてロンドン到着後、いつものようにすぐに、アンティークマーケットに向かう。

両替もあるが、今回はグレンダと約束をしていた。

ブレンダ女史とはもちろん別人で、ドールショーにも出店しているし、とにかく優しくて、お人形への愛情はロンドン1番のような気がする。

夕方5時に到着して再会すると、いつものように、両方のホッペをあわせるキスのような挨拶をしてきた。

何回しても恥ずかしい・・

そして早速ドールショーの話を持ちかけると、グレンダもガッカリしたような表情をしてオーマイゴットとつぶやく・・・

やっぱり無いんだ・・

僕もがっかりしていると、グレンダは主催者は変わるけどオークション会社がバックアップして、新たなドールショーを開催する動きもあるのよ、と話してくれた。


それは良かったと返事をするが、今回は間違いなく無いし、前回のドールショーで、名前は知らないが高齢の婦人と11月のドールショーで、ある人形の事での約束を交わしていたのに、その約束を果たせないのが残念だと説明をした。

グレンダはどんな感じの人?と聞いてきたので、出店場所と特徴を話した。

すると、それは多分クレアさんだと思うわ!と笑顔で話してくれて、電話番号も知っているからすぐにかけてあげる!と地下から1階に飛び出して行った。

電波が入らないのかな・・

グレンダが行った後もそんなことをつぶやきながら、気分は落ち込んだまま。

ブレンダが帰ってきて、クレアは留守だったけど、息子さんにはつながって、もうすぐ帰ってくると言ってたから、あとで電話して話せばいいのよ、と電話番号を紙に書いてくれて手渡してくれた。

本当に親切な人だ。

ドールショーでもいつも僕の沢山の荷物を預かってくれるし、怒ったところなんか見たこともない。

グレンダのお人形は全てかわいくコーディネートされていて、全ての物や人に愛情を注いで生活しているのだろう。

グレンダと別れてホテルへと帰る。

部屋に到着すると、せっかく電話番号を聞いたので電話をかけてみる。

初めて電話をかけるのは緊張するし、元来苦手なので、本当はかけたくないが、グレンダが僕の為に頑張ってくれたのだから思い切ってみた。

すると聞き覚えのある声の婦人が電話に出た。

息子さんから話は聞いていたようで、日本人の僕だと言うのはわかってくれていた。

ただ耳が遠くてかなりの大声で何度も話さないと会話にならないので大変だ。

前回のドールショーでのお約束は覚えていますか?

なんの人形がほしいの?

と会話もすれ違う・・・

何度言っても、

何の人形を探しているのか?

もうこれは、ストレートに言ってしまおうと、

ゴーティエ、ブリュジュン、ウォンテッド・・・と伝える

あなたは大きい子が好きだったね・・・なんと僕の事はわかってくれていたのだ!

約束のことは何にも言わないけど・・・

とても大きいFGが1体いるわ。

僕はびっくりした・・

約束とはシャーリーテンプルの事で、そんな高価なお人形など、ドールショーにも持ってきたことがないので、まさかの展開だ・・

僕はすかさず今からすぐにお伺いしてもいいですか?と話すと、クレアさんは

どこからくるの?

ビクトリアからです、と伝えると、地下鉄で40分はかかるわよとのこと。


今すぐに出れば6時半には行けると思いますのでお伺いしてもいいですか?ともう一度お願いする。

クレアさんは、少しの沈黙の後、それでは6時半に駅に行きましょうと言ってくれた。

電話を切り、荷物もそのままに、時差ぼけでだるい身体も、思いもしなかった出会いとの興奮でだるさも吹き飛んでいった。


ビクトリア駅に着くと通勤時間で人でごった返していた。


この時間に地下鉄に乗るのは久しぶりだが混雑がすごい。

到着駅を確認してチケットを販売機で購入する。

なんと約千円もする!

5ポンド以上もする券を買ったのは初めてだ。

値上がりしたとは聞いていたがこんなに高いとは

これは頻繁に使う人は大変だ。

近くならタクシーの方がお得だと言うのは本当だった。


電車に乗るとギュウギュウ詰めになりながらも、これからの出会いに心がときめいてくる。

金曜の夜といえば、ロンドンではレストランもいっぱいになり、休日前夜の大切な夜になる。

そんな時間に、日本から来た業者が突然電話をかけてきて、すぐに尋ねてくるなんて、考えてみたら良く了承してくれたもんだ・・・

ほんとうに嬉しいけど、悪い気がしてきた。

でももしかしたら駅には警戒して来てないかもしれない・・・

もしそうだとしても仕方ない。

そんなことを考えながらも心の奥ではワクワクしている。


駅に到着してエスカレーターを上がっていく。

終点に近い駅なので人も少ない。

改札を出ると見たことがない、若い女性が僕のほうを見ている。

ミスターサカイ?

イエスと言うと、兄が車で待っているから付いて来て、と歩き出す。

外に出ると駅の出口になんと靴屋さんがある。

それも素敵な皮靴が沢山並んでいて、物凄く安い。

びっくりしていたら、こっちよ!とせかされた。

駅のロータリーを渡ると、ここでしばらく待ちましょうと言ってくれた。

大きい回転交差点で、一度向こうに行くと、なかなか帰って来れないのよ・・・と嘆いている。

時間を見ると夜の6時半を過ぎている。

お母さんはどうしたの?などやぼな話はしないほうが良さそうだ。

きっと家に連れて行ってくれるに違いない。


兄弟まで巻き込んでしまい申し訳ない気分だが、こんな遠いところまで来て、イギリス人の家に今まさに招かれようとしている。


ドールショーは無くなったけど、まさかこんな展開になるとは・・・


出発前に店長日記に、色々な変更があるらしいけど、これも吉兆だと思い・・・と書いたがまさに言霊になった!


お兄さんがようやく到着して、車から降りて来てくれた。

挨拶を交わすとさぁどうぞ、と後部座席に乗り込んだ。



今から行くクレアさんのお家にはいったいどんな子達が待っているのだろう・・・


大きいゴーティエがいるのは間違いない。


ドールショーには出したことがない、コレクションが沢山あるのだろうか・・・

スピードを上げて走る車中から、ロンドン郊外の住宅街の明かりを見つめながら心を弾ませる・・・・


続く



続きは次回にお送りします。



皆さんお元気でしょうか?


今日はクリスマスイブ。


ほんとうに12月は師走と言う通り、あっという間に過ぎ去っていきました。

今年もあと1週間。

デパートのイベントもあり、今回は年賀状も全く手がつけてない状態です・・


みなさん、今年は遅くなりますことを先にお詫びしておきます。すいません。


明日は今年最後の骨董市、終い天神さんです。

2月の梅花祭と同じように人が多くて賑わう日なので、何とか天気になって楽しい市になることを願います。


僕も今年最後のおみくじをひきたいと思います。


いつも店出しの前にお参りをするのですが、天満宮のおみくじは100円と安いのに、良い紙でいつもいいアドバイスをくれるのです。

そして明後日からは今年最後のデパート催事、梅田大丸のイベントが始まります。

明日の天満宮が終われば、その足で大丸に荷物を運びますので、忙しくなりますが、年末の渋滞もなくスムーズに到着が出来て無事に店出しが出来るように願いながら頑張ります。


先日の芦屋大丸では、また沢山のお客さんが来て頂いて本当に忙しく、感謝の毎日でした。

ありがとうございました。


名古屋大須観音でも皆さんお越しいただいて、素敵な一日になりました。


とても寒い日になりましたので、ほとんどの業者さんがいつもよりも早く終い始めて、僕も3時半頃から片付け始めました。

ほとんどの荷物を車に積み込み、後はごみ拾いをして忘れ物がないか点検していると、僕の後ろの店の前に、見覚えのある男性が立っていた・・・

名前を呼ぶと気がつかないので、もう一度大きい声で呼ぶと、こちらをみてあれ?という表情をした後こちらに来て、僕だとわかり、やっと会えたよー!と手を握ってきました。

僕が大須に初めて来たのは18年程前になりますが、その当時から毎月のように店に来てくれていたお客さんだったのです。

大切な奥さんに良いものがないかと、珍しいアンティークを探しに来ておられました。

まだ半分雑貨を並べている(ほとんどガラクタですが)時期で、少しだけアンティークジュエリーを持っていってました。

その方は自分自身も西洋アンティークが大好きなので、良いものがあれば自分の物のように喜んでみてくれていました。

まだ高い物はほとんど持っていないときに、初めて骨董市で20万円のジュエリーを買っていただいて、物凄く嬉しかったことを覚えています。

若い僕を育ててくれていたのではないかと、今でも思っています。

そして僕が関西のデパート催事で忙しくなり大須にあまり行けなくなってから、5、6年が経ちますがそれと同時にその方もあまり来なくなりました。

大体毎月のように来られていたので、体調でも悪いのかなと心配していました。

そんな心配があったので、会えたことは本当に嬉しく、感激しました。

君に会ってパワーをもらいたかったんだよ!と話してくれました。

5年間、脊髄の神経の病気や、心臓の病気とあちこちと悪くなり、ようやく出てくることが出来たと聞いて、知らなくて本当にすいません、と謝ると、君からいつももらっているハガキなどを妻が病院にも持ってきてくれてたから、君も頑張っているから、僕もがんばらないかんと思ってたよ。と嬉しいことを言ってくれました。


長い間手を握っていたら、通る人達がジロジロと見出しましたが、そんなことは全然気にならなく、再会をお互いに喜んでいました。

42歳の僕と70歳過ぎの男同士で、年齢を超えた友情のような絆を感じました。


僕のパワーを精一杯送りますから、元気を出して来年は良い年にしましょうね!と言うと、ありがとう!今度会えるときはもっと元気になって、素敵なアンティークを見れるようになるよ!と話して再会を約束して別れました。


本当に嬉しい一日になりました。

ただその翌日、ほんとに全てのパワーを吸い取られたのか、風邪気味になってしまいました^^

でも熱が出ることも無く、なんとか大丈夫です。


みなさんも体調に気をつけて、元気で年末を迎えて下さいね。

今年最後の骨董市とデパートでお会いできるのを楽しみにしています♪


それではまた☆


美輪さんのディナーショーで一番前の席で美輪さんパワーを頂いた店長でした。


メリークリスマス☆☆☆















2009年12月17日
僕が23才のとき、初めてのパリへの買い付け 終編


部屋に戻り、すぐにアキラに電話をかける。

今日はストで大変だったんですよ!

なぜ知らせてくれなかったんですか!?

するとアキラは、パリでは日本とは違い、予告無しにストライキをするんですよ・・・

ほんとかどうかわからないけど、そう言われたら何にも言えない・・・

とにかく無事でなによりです。

その通りなので、もう何も言わずにサヨナラを言い電話を切った。


落ち着きを取り戻すと、お腹の虫が鳴り出した。

明日はストが解消されていれば、蚤の市もあるし、腹ごしらえをしておかないと、と筋肉痛の重たい足をあげ、外へとくりだした。


その日の夜は、深い眠りにすぐに入り、朝の目ざまし時計の音が、すぐに鳴ったような気がしながら、目が覚めた。

簡単な朝食を取り、ホテルを出て地下鉄の駅へと向かう。

入り口は開いていて、昨日の騒動は遥か昔のことのように感じるぐらい正常に機能している。

今日は記念すべき、初めての買い付けの日だ!

気合が入ってくる。

高校野球の時の打席に入る前の緊張感のような、ドキドキワクワク感に似ている。

モントレイユの駅に着くと、みんなゾロゾロと同じ方向に歩き出す。

みんな市に向かうようなので、迷わなくていい。

するとすぐに沢山の店が見えてきた。

新しい衣料品、古着、ガラクタが所狭しと並んでいる・・

広い1本の道に、見えなくなるところまでずっと店が続いている。

これは凄い!

アンティークの店は全部見てまわるぞ!と心に誓う。

10件目ぐらいの店でかなり古そうで、形も良い置時計を見つけた。

価格を聞くと2200フラン。

1フラン22円として4万円代か・・・

予算が合わないので、時計を置き行こうとすると、店主が早口のフランス語で何か言っている。

そして僕の電卓を取ると、1000フランと押してどうだと言ってきた。

何も言ってないのに半額以下だ・・

それでも置時計で2万台はやはり高いので、メルシーと言って離れようとすると、もう一度電卓を奪い取り、いくらなら買うんだ!みたいな事を言って数字を押せと言う・・・

圧倒されながらも、頭で計算して500ならと見せると、600でどうだ?とニッコリ笑顔で電卓を押してきた・・・

そういえば地球の歩き方に、パリでは値引き交渉次第で、半額になることも・・と書いてあった。

しかし値切っていないのにここまでとは・・

お金を渡すと、メルシーと更に笑顔で時計を受け取った。

本ではロンドンでは1割がやっとだ、ともかいてあったので、人間性というか土地柄というか、とにかく駆け引きとはこういうことなんだと、手ごたえをつかんだ。

値切らなくても、帰るフリをすれば安くなるんだ。

その後もその調子で、古着、アンティークドレス、アクセサリーなどお手頃な物を沢山見つけて、半額以下で買うことが出来た。

荷物を沢山持って帰ろうとしたら、フランス人ではない外国の婦人が、4、5人の男に囲まれて笑いながら話していた。

何か変だなと歩きながらみていると、後ろの男がその婦人のカバンからカメラなどを盗んでいる・・・

話すフリをしながらスリをする集団だ!

これも本に書いてあった!

僕の隣にいた店主も見ていたので、指をさしゼスチャーで泥棒だから助けてあげようと言うと、おまえが刺されるぞみたいな、ゼスチャーをされた・・・

ポリスにでも言わない限りこれだけの人の多さの中ではどうしょうもないよ・・・

そんな感じのことを言われた・・・

怖い国だ・・・

日本なら白昼に骨董市で見つけたら、どうにか大声を出せば逃げて行ったりするだろうに・・・やはり日本は治安が良い。

婦人がかわいそうに思いながらも、これもお国柄なのか・・と納得するしかない。

もう一度振り返り見ると、もう男達はいなかった・・・

次のターゲットを見つけに行ったのか・・

昨日といい、今日といいパリの光と影を見た。

西洋アンティークは西洋にしかないが、日本の文化はやはり素晴らしい。

何かの本でみたが、外に出ると日本の良さがわかるとあったが、その通りだ。


地下鉄にのり、沢山の荷物をホテルに一度置きに行く。

次に行くクリニャンクールはホテルから近いから便利だ。

初めてのパリ。

まだ二日目でこの濃い日々を過ごした。

教訓でもあり、どうしようもない文化の隔たりなど、憧れの花の都パリの裏側を見て、ショックもあったけど、最初にこれだけの経験ができたことは、今後につながるだろう・・・

しんみりしながら、またホテルを飛び出す・・・


続く


次回は今年の11月の買い付け物語をお送りします。



皆さんお元気ですか?

今は名古屋のホテルから日記を書いています。

便利なもので、パソコンさえ持っていけばどこでも書けるので素晴らしいことです。

明日は早朝から骨董市がありますが、ホテルの窓から市が見えるすぐ横にホテルがあり、これまたとても便利です。


さっき、東海地方で地震があったということですが、ほとんど揺れは感じませんでした。


大事に至らなければいいのですが、阪神大震災といい、寒い時期に大地が揺れるような気がします。


お人形をお持ちの方は、スタンドにだけは立たせないで下さいね。

震災ではスタンドに立ててコレクションをされている方でお人形が飛んで行き、割れてしまった場合が多かったのです。


僕の店は全員座らせていましたが、全員無事でした。


スタンドは不安定なので、撮影や、遊ぶときだけ使用して、普段は使わないのがベターです。


火曜まで開催した、芦屋大丸のイベントでは皆さん沢山来て頂き、新たな出会いもあり、大成功に終わりました。

ありがとうございました。


明日はどんな出会いがあるか楽しみにしています♪


そして日曜はいよいよ美輪明宏さんのディナーショーもあります♪


今回は月曜にロンドンに行かないといけない用事がありましたので、その場合は早朝に美輪さんも宿泊のホテルを出発しないといけなくて、美輪さんに遭遇や、バンドの水野さんとの再会も出来ないところでしたが、飛行機のキャンセル待ちが取れなくなりましたので、またチャンスがあるかもしれません♪

ロンドンへはオークションで落札したお人形を1泊で引き取りに行くつもりでした。

ロンドンの有名オークションでは、梱包と配送を頼めば、サイズにもよりますが、今回は20万ほどかかるところでした。

僕が取りに行けば、安全だし、費用も往復で8万円で行けるんです^^

5体ほどいますので割れば経費もわずかですし、皆さんにもお安く提供できるという利点があります。

まして今回はマイレージが貯まっていて燃油代の2万円だけで行けます。

テレビでタレントがよくする、1泊3日の弾丸ツアーで大変ですが、頑張っていくつもりでしたので残念です。

でも1月にチケットを確保できましたので、みなさんまた連れて帰ってきたらこちらでも披露しますので楽しみにしていてください♪


とても珍しいお人形を落札できましたので♪

見たこと無い超ビッグなテディベアーも^^


それでは皆様、明日はもっと冷え込むそうなので、温かくして過ごしてくださいね♪

それではまたお会いするのを楽しみにしています♪


僕はストーブ、ヤカンも用意して、温かいラーメンやコーヒーを飲みながら店出しができるように準備万端なのでご安心下さい♪


おやすみなさい☆


今から入浴剤を入れてお風呂に入る店長でした♪





2009年12月09日
僕が23歳の頃、初めてパリへと旅した話の後編・・・

地図を片手に、足早にホテルへの長い道のりを歩き出す。

道を1本でも間違うと、大変なことになるので、通りで大きい交差点がある度に、通りの名称を確認する。


ただ1つ幸運なのは、今はサマータイムだ。

夜9時過ぎまで明るいので、5時間以上かかったとしてもまだ明るいだろう。

本にも書いてあったが、パリの治安はロンドンに比べると悪いらしい。

裏通りや、洗濯物を干してある区域は気をつけないといけないと書いてあった。

パリでは条例で、道から見えるところに洗濯物を干してはいけないらしいので、それを堂々と干すところは、危ないところだと・・

パリの人は大変だ・・

どうやって洗濯物を干すのだろか・・・

そんなことを考えながらもただひたすら歩く。

高校野球で鍛えていたことがこんなところで役に立つ。

足や体力は全然問題なく、ただ不安な気持ちがあるだけだ・・

足早に歩いているのは僕だけではなく、もちろんみんな困っているので僕の横も4、5人は同じように歩いている。

交通手段がないから歩くしかない。

僕は早歩きなので、日本では歩いていても抜かれることはないのだが、気にしてみればさっきからどんどん抜かれている。

僕と同じ、歩数なのに・・・

そうか・・・足の長さが違うんだ。

同じだけ腕を振り、スピードも変わらないはずが1歩の間隔が違うから10歩歩けばかなり差が出る。

こればかりはどうしようもない事なので気にせず、ひたすら歩く。


これがストなどではなく、普通の散歩なら景色を楽しみながら、楽しい散歩になるのに、僕を含め周りの人も笑顔のない、厳しい散歩だ。

時計を見ると2時間も経っていた。

場所を再確認すると、ホテルまでの地図上の距離はまだ半分も来ていない・・

かなりの早足で来たから、半分は来ているかもと淡い期待があったが、甘かった・・・

気を取り直し、また歩き出す。

市街地をずっと歩いてきたが、公園のような広い通りに出る。

セントラルパークのようなところかな・・・

車や人が急に減った。

時計を見ると18時を過ぎている。

こんな道ならサマータイムでなければ、薄暗いな。

そう思いながら、歩いていると前から、何にも持っていない手ぶらの黒人が歩いてきた。

僕をはじめ、旅行者はみんな地図を片手に歩いているし、仕事の人はカバンなどを持ち、手ぶらの人は、このストの非常事態にはあまりみなかった。

そう考えながらすれ違うと、僕の全身を見ていた。

身体はかなり大きく2メートルはありそうだしガッチリしている。


目つきが違うし手ぶらだったので、怪しかったが,すれ違っただけで済んだ。


それにしてもこの公園の通りは人が少ない。

横からも人は来ないし、僕の前に、僕を追い抜かした人が5人ぐらい見えるだけだ。

後ろはどうだろう・・

振り返ると、さっきの黒人が少し離れて僕の方向に歩いてきている・・・

目が合いドキッとした・・・すれ違ったはずなのに戻ってきているのはおかしすぎる・・

それも3分ほど前だし、かなりの早足で歩いているので、だいぶ過ぎてからこちらに方向転換したんだろう・・・

横にはだれもいないし、後ろには20メートルぐらい離れて黒人だけ。

前の人は200メートルは離れている。

やばい・・・

もう一度後ろを見ると、さっきより距離が縮まっている・・

僕が二回ふりかえったことで、相手も警戒していることを察知したようで、スピードを上げてきた・・・

もうこれは走るしかないか、どうしようと考えながらもう一度後ろを見ると10メートルの距離で、上着の内ポケットに右手をいれて何かを出そうとしていた・・・

もう完全にやばすぎる・・・

前を見てダッシュをかけた瞬間に、右の通りからポリスが出てきた・・・

やったー!

全身が緊張と焦りでガクガク震えながら、ポリスにボンジュールと声をかけ後ろを振り返ると、黒人は猛ダッシュで逃げ出していた。

そしてアッと言う間に木々に隠れて見えなくなってしまった。

ポリスは状況がわかっていなく、ただ地図を持っている僕に声をかけられた、と言う感じだ。
僕も今の出来事を説明する語学もないので、ホテルを指差し、ここに行くにはこの道で合っているかを聞いて、メルシーと言って別れた。

間違いなくあの黒人は強盗で、ナイフかピストルのような凶器を出そうとしていたんだ。

もしポリスが出てこなかったら今頃は・・・

そう考えると今まで以上に早足になり、競歩のような姿で歩き出した。

そして本当に僕は運が良い!と今までの怖さから、これだけ強運なら大丈夫だ!と考えるようになり、更にスピードを上げ歩く。

時計を見ると20時だ。

もう怖い思いをした公園はとっくに過ぎて、車や人が飛び交う大通りだ。

お腹も空いているはずだが、そんな余裕はないので、とにかくホテルを目指そう。

地図を確認すると、もう少しのところまで来ている。

あと半時間もかからないかも・・・

通りにするとあと5本だ!


もうここまでくれば・・・


そうかんがえると足が軽くなる所か、急に足が重くなり、全身に疲労感が広がりしんどくなってきた・・・

緊張の糸が切れたのかな?


とにかくもう少し、頑張ろう。


出来るだけの力を振り絞り歩いていると、朝乗った地下鉄の看板が見えてきた。


駅の道を右に曲がると、ホテルも見えてきた。


ホテルに入り、フロントをみると夕べや今朝のように、普通の光景だった。


僕の頭の中には、3時間ぐらいの冒険物の長編映画のエンディングが流れているのに、周りはいつもの日常だった・・・


まぁ、いいや。


無事に約5時間の恐怖と緊張の『パリ市内ほぼ歩いて縦断の旅』がようやく終わったんだから、どうでもいいや。

でもあのアキラの奴めー!部屋に戻ったらすぐに電話してやる!と別のパワーを出して部屋へと戻った・・・



続く



続きは次回にお送りします。



皆さん今年もあとわずかになりましたが、お元気ですか?

もう師走になった実感がないほど、今年は早く一年が過ぎたように思います。


それほど毎日が忙しく、充実していた証拠だと思っています。

本当にみなさんのお陰だと思います。


先日の名古屋、大須観音では皆さん久しぶりにも関わらず、沢山来ていただいてほんとうにありがとうございました。


1年以上行ってなかったのですが、新たなお客さんも増えていて、とても忙しく充実の一日になりました♪


名古屋名物、みそカツも食べましたし、前日のホテルでの宿泊では、久しぶりの名古屋で興奮したのか、修学旅行生のようになかなか寝付けない夜も過ごし、楽しい名古屋での時間になりました。


会長さんには、坂井君また以前のように毎月気なよー!と優しく声をかけて頂き、ほんとうは来たいのですが、関西のデパートのイベントと重なるので、休まないといけないのでと、話していました。

ただ今月の18日は大丈夫なので、会長の計らいで今月も続けて名古屋に行くことになりました。

また名古屋や岐阜、三重県の人達とお会いするのを楽しみにしています♪


そして、今日から久しぶりの芦屋大丸のイベントが始まりました。

夏以来ですが、今日は初日と言うこともあり、昼から物凄く忙しくなり、順番待ちで何度も食事やお茶をして時間待ちをして来て頂いたりしてご迷惑をおかけしながら、初日を終えました。

本当に嬉しく感謝しています。


明日からも火曜日15日まで、また皆様とお会いできることを楽しみにしています♪

遠方からもお越しになるかたも多く、JR芦屋駅の駅ビルの中と交通の便がとてもいいところですので、皆さん是非お越し下さい。

そこの1階の洋菓子や和菓子屋さんと化粧品屋さんの間のイベント場で、洋菓子の美味しいアンリさんの横で出していますよ☆

沢山のお人形達と、ジュエリー達が所狭しと並んでいます☆


それでは皆さん、あと20日ぐらいの今年を元気で楽しく過ごせますように、心より願っていますので、体調に気をつけて、共に頑張っていきましょう☆

それではまた☆














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