僕が33歳の頃のお話・・・・
今朝のロンドンもどんよりと曇っている・・
先週に渡英してからおひさまを見ていない。
先月にパリに1週間行った時もずっと霧の中のような天気。
4月のロンドンなら・・と期待したけど曇ばかり。
昨日行ったカムデンロックでは小雨の中、沢山の人でかなり疲れた。
土曜日に会ったテディベアディーラー・ピーターの誘いで、今日はブライトンへ行く事になった。
現地集合だが行ったことがないので無事にたどり着けるか不安・・
ビクトリアから1時間半ぐらいと聞いていたのでそろそろ出かけないと。
ブライトンは港町と言うのは知っているけどそれ以外はどんな街なのか知らない。
ブライトンにはイギリスで一番沢山テディベアを集めているお店があるらしい。
今日はそこで業者やコレクターが集まり、交換会を開催するとピーターが教えてくれた。
テディベアの予算はそんなに無いと伝えると、面白いものが出るし、買わなくても勉強になるし、
シャンパンも無料で飲めて、港の潮風を受けながら楽しい時間を過ごせるから是非一緒に楽しみに行こう!
と言われてそれなら・・と行く事になった。
あまりパーティーや集まりなどは苦手なので、当日になると天気と同じでどんよりとした気分になった。
でも約束を破るわけにはいかない。
ヘンテコリンで可愛いベアなどとの出会いもあるかも知れない、と気分を上げてホテルを出る。
ホテルを出てもどんよりとした雲がモコモコと顔を出している
朝の9時半なので通勤の人たちや、ホテルの並びの幼稚園のブルーの制服を来た子供達が走っている。
駅に到着すると、通勤ラッシュで人が多い。
チケット売り場に行くと土日に比べると少ないので助かった。
やはり平日は定期などを持った人は多いけど、郊外のチケットを買う人は少ないんだ。
順番が回ってきて、ブライトンへリターンチケットを、と頼むとワンデイ?と聞かれたのでプリーズ。
出発時間を確認すると親切に7番で20分後に出発、と教えてくれた。
20分ならちょうどいい時間なので、コーヒーとチョコレートを買いに売店へ行く。
バナナとパンと炭酸の7UPはカバンに入っているけど、今日は無性にチョコレートが食べたくなった。
やはり昨日のカムデンロックで雨の中、6時間も歩き続けて疲れているのかな・・
それも素晴らしいドレスやカバンなどが沢山あったのでものすごく重たい荷物になり、
それを抱えて超満員の中を全て制覇したから・・
売店ではチョコレートを選ぶが、こちらは中にキャラメルが入っていたり、
ストロベリーソースなど甘さが半端ではない物が多いので、普通のミルクチョコレートを探す。
DAILYのTHE MILKと言うのがあったのでそれを買って、コーヒースタンドでホットコーヒーを買い、プラットホームに行く。
自由席なので空いている車両を探すが、結構人が多い。
結局一番前まで歩き、先頭車両に乗り込む。
手動のドアを開けて中に入る。
オールドタイプの列車なので、木枠でできている素敵な3人がけの長椅子に座る。
窓際に座り、コーヒー、チョコレートを小さいテーブルに並べると旅行気分になってきた。
曇ってはいるが、これからこの木枠の窓からはどんな景色が見えるのだろう・・
間違いなく羊や馬などはすぐに姿を見せてくれるだろうし、
郊外の駅に停車すると大きなリスなども出てきてくれるかな。
そして港が近づくとドーバー海峡の素敵な海。
おっくうだったけど、ピーターが誘ってくれて本当に良かった。
やはり声を掛けてくれるというのも貴重なことだし、
何かのご縁で行く事になったんだから素敵な出会いも必ずある気がする。
出発の汽笛がなり、ゆっくりと列車が動き出す。
ドアが手動だと、自動ドアなどの音などもなく、静かな出発でとても情緒があり素敵だ。
肌寒いけど少し窓を開けてみる。
ひんやりとした風が入り、熱いコーヒーとちょうど良い。
ターミナルを出るとすぐ川の景色が広がり、橋を渡っていく。
さぁ出発だ!今日はどんな1日になるんだろう!
甘くて美味しいチョコレートをかじりながら、煙突の並んだ赤レンガの家を眺めて列車はスピードを上げる。
続く・・・