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アンティーク買い付け物語☆第1話☆

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ある晴れた朝のロンドン。

いつもなら早朝に起きて蚤の市に出かけて走り回っているのが日常。今日はオークションだけの珍しい1日。

いつも朝が早すぎてほとんど食べられないホテルの朝食をゆっくりと味わう。

いつ食べてもこちらの目玉焼きは美味しいし、好きなコーンフレークもおかわりをして、ジャムをたっぷりつけてパンを食べる。

家にはジャムは置いてないのでここで食べるときは、ついつけたくなるのは、貧乏性かな?

守衛のロバートと今日はいい天気だねと挨拶を交わして表へ出ると、初夏のロンドンの素晴らしい青空が広がり、ワクワクしてきた。

ビクトリア駅へ向かう途中に、何とかスクールと書いた建物があり、中をのぞくと青い制服を着た小さい子供達がおとなしく遊んでいる。

長くこのあたりに来る度に滞在しているが、ゆっくりと歩くことがないので、こんな日は新しい発見があり楽しい。

10分ほどすると駅に着く、ほんとに便利なホテルだなと嬉しくなる。

ビクトリア駅は名前のごとく、有名でとても大きくてブリティッシュレイルで地方へ向かう人で大賑わい。

あちらこちらで再会の抱擁、辛い別れなどが繰り広げられている光景が目に入る。

100年以上建っているこの駅で毎日のようにそんなドラマが繰り返されているんだなと思うと切なくなる。

地下鉄の駅はその隅っこのほうにあり、エスカレーターで地中へと潜る。

10時過ぎという時間なのでやはり込んでいるが、忙しい時間帯なのでいつもいるストリートミュージシャンなどはいなく静かなホームだ。

「Mind the Gap!」と言うアナウンスだけが響き渡る。

乗り換えて二駅でボンドストリートへ到着。

ボンドストリートへ出るとさっきより更に真っ青な空が広がる。

今日はきっといい出会いがあるに違いない。

ボンドストリートは老舗の店やデパートなどが並びいつも華やかな雰囲気が漂う。

いつも郊外のフェアーや、競馬場などである蚤の市に出かけているので少しシャンとした気分なった。

高級宝石店の前に山高帽(シルクハット)をかぶったドアマンが笑顔を振りまきながらも、怪しい人間は入れないぞと目の奥で威圧感を放っているような気がする。

いよいよ会場が見えてきた。

年に2回ぐらいしかないドールオークションがあり出品数もヨーロッパ一なので世界中のコレクターや、業者が集まり争奪戦が繰り広げられる。

緊張してきて心臓がドキンドキンと弾む。大通りから横の通りに入るとドールの会場がある。1本路地を入るだけでさっきの華やかな雰囲気は一変して静寂が広がる。

狭い路地からのぞく空も青いかなと上を見上げると、いつのまにか雲が広がっていた。

ロンドンはすぐに天気が変化する所だなといつもびっくりさせられる。

そして入り口に入ろうとしたと同時にかなり強面の大きいおじさんがぶつかりながら入ってきた。
全身真っ黒な服を着てジロッと僕を睨みつける。

あまりに威圧感があったので思わず「ソーリー」と言うと知らん顔をして奥へと入っていった。

あまり見たことがないタイプだしロンドンのマフィアで、どこからか脅して取り上げてきたアンティークを売りにきたのかなと、妄想が広がる。

空が曇って来たからこんな思いをするのかなと、さっきの前向きさは消え去る。いつもながら脆い心だ。

オークションは1時間後に始まる。

その前に商品を手に取り確認をしたり、プロフェッショナルというオークション専属の鑑定人に質問をしたりできる時間なので、気を取り直し奥へと進むと沢山の人が群がり、今まで見たことがないぐらい多量のお人形たちが並んでいた。

ガラスケースに入っている子、テーブルにずらっと並べられている子などゆうに300体以上はいるだろう。

天窓から少しもれる陽がその子達を照らし、真っ白な陶磁器が浮かび上がり、後光がさしているように見えた。今日は凄い日になりそう。

(つづく)
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順次ご紹介しますので、是非ご覧下さい♬

アンティーク買い付け物語☆第1話☆

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