時代はさかのぼり僕が23歳で、こつこつためた貯金30万円を持ち、憧れの都、巴里へ初めて渡航した話です・・・
霧のロンドンと言うが、目を覚まし景色を見ようと窓を開けると、一面真っ白に霧に覆われた巴里の街が目に入る。
今日の日程を再確認するために地球の歩き方を,鞄から取り出す。
あても情報も何も無く、頼りはこの本に書いてある、蚤の市情報だけだ。
そこには、クリニャンクール、ヴァンブ、モントレイユと3ヶ所の市を紹介している。
今日は金曜日なのでモントレイユしか開いていない。
詳しく読むとスリが多発しているので、要注意して行動することとある。
値引きもロンドンとは違い交渉次第で半額にもなると書いているので、気の利いた本だ。
そこで僕は辞書を探す。
来る前に少し勉強して、交渉などに使える項目にしるしをつけていたので、
これさえあれば大丈夫だと、安心して飛行機に乗りながらも何度も目を通しチェックした。
おかしい、鞄の中にあるはずの辞書がない・・・
部屋をさがすがもちろんどこにもない。背中あたりがゾーッとしてくる。
アッ、と思い出したら思い当たるのは、眠りもせず13時間のフライトで辞書を読んでいて、
着陸のアナウンスが流れた時、シートベルトをつけてテーブルも片付けて辞書も前の座席のポケットに入れて巴里の夜景に見とれていた。
そのまま忘れてしまった・・・
もうどうしようもない・・・
もちろん一夜漬けみたいなものなので暗記まではしていない・・・
プブムメフュール アンプリ。シルブプレ・・・変な発音ばかりが頭で流れる。
この1週間をどう過ごそう・・・まぁ犬や動物と話すよりも簡単だろう☆
その結論で不安を吹き飛ばし巴里の街へ飛び出した♪
続く