アンティーク買い付け物語ツアーの実現を記念して、今までの買い付け物語を、店長日記から抜粋してまとめました♬ 順次ご紹介しますので、是非ご覧下さい♬
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☆アンティーク買い付け物語☆第25話☆

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2009年11月の買い付けのはなし・・・

今回の買い付けは、出発前にロンドンのブレンダ女史からのメールで気分が落ち込んでいた・・

何年も開催されていたドールショーが開催されないかもしれないとの、長文メールが出発10日前に届いた。

ブレンダが代表として、世界からお人形店が集合する素敵なイベントを長年運営してきたのに、
こんなに急に中止になるとは思いもしなかった・・

やはり世界同時不況の波が、ドールショーにも襲い掛かってきたのだろうか・・・

それでもかすかな望みを抱いて、ロンドンへと旅立った。

そしてロンドン到着後、いつものようにすぐに、アンティークマーケットに向かう。

両替もあるが、今回はグレンダと約束をしていた。

ブレンダ女史とはもちろん別人で、ドールショーにも出店しているし、
とにかく優しくて、お人形への愛情はロンドン1番のような気がする。

夕方5時に到着して再会すると、いつものように、両方のホッペをあわせるキスのような挨拶をしてきた。

何回しても恥ずかしい・・

そして早速ドールショーの話を持ちかけると、グレンダもガッカリしたような表情をしてオーマイゴットとつぶやく・・・

やっぱり無いんだ・・

僕もがっかりしていると、グレンダは主催者は変わるけどオークション会社がバックアップして、
新たなドールショーを開催する動きもあるのよ、と話してくれた。


それは良かったと返事をするが、今回は間違いなく無いし、前回のドールショーで、名前は知らないが高齢の婦人と11月のドールショーで、
ある人形の事での約束を交わしていたのに、その約束を果たせないのが残念だと説明をした。

グレンダはどんな感じの人?と聞いてきたので、出店場所と特徴を話した。

すると、それは多分クレアさんだと思うわ!と笑顔で話してくれて、
電話番号も知っているからすぐにかけてあげる!と地下から1階に飛び出して行った。

電波が入らないのかな・・

グレンダが行った後もそんなことをつぶやきながら、気分は落ち込んだまま。

ブレンダが帰ってきて、クレアは留守だったけど、息子さんにはつながって、もうすぐ帰ってくると言ってたから、
あとで電話して話せばいいのよ、と電話番号を紙に書いてくれて手渡してくれた。

本当に親切な人だ。

ドールショーでもいつも僕の沢山の荷物を預かってくれるし、怒ったところなんか見たこともない。

グレンダのお人形は全てかわいくコーディネートされていて、全ての物や人に愛情を注いで生活しているのだろう。

グレンダと別れてホテルへと帰る。

部屋に到着すると、せっかく電話番号を聞いたので電話をかけてみる。

初めて電話をかけるのは緊張するし、元来苦手なので、
本当はかけたくないが、グレンダが僕の為に頑張ってくれたのだから思い切ってみた。

すると聞き覚えのある声の婦人が電話に出た。

息子さんから話は聞いていたようで、日本人の僕だと言うのはわかってくれていた。

ただ耳が遠くてかなりの大声で何度も話さないと会話にならないので大変だ。

前回のドールショーでのお約束は覚えていますか?

なんの人形がほしいの?

と会話もすれ違う・・・

何度言っても、

何の人形を探しているのか?

もうこれは、ストレートに言ってしまおうと、

ゴーティエ、ブリュジュン、ウォンテッド・・・と伝える

あなたは大きい子が好きだったね・・・なんと僕の事はわかってくれていたのだ!

約束のことは何にも言わないけど・・・

とても大きいFGが1体いるわ。

僕はびっくりした・・

約束とはシャーリーテンプルの事で、そんな高価なお人形など、
ドールショーにも持ってきたことがないので、まさかの展開だ・・

僕はすかさず今からすぐにお伺いしてもいいですか?と話すと、クレアさんは

どこからくるの?

ビクトリアからです、と伝えると、地下鉄で40分はかかるわよとのこと。


今すぐに出れば6時半には行けると思いますのでお伺いしてもいいですか?ともう一度お願いする。

クレアさんは、少しの沈黙の後、それでは6時半に駅に行きましょうと言ってくれた。

電話を切り、荷物もそのままに、時差ぼけでだるい身体も、
思いもしなかった出会いとの興奮でだるさも吹き飛んでいった。


ビクトリア駅に着くと通勤時間で人でごった返していた。


この時間に地下鉄に乗るのは久しぶりだが混雑がすごい。

到着駅を確認してチケットを販売機で購入する。

なんと約千円もする!

5ポンド以上もする券を買ったのは初めてだ。

値上がりしたとは聞いていたがこんなに高いとは

これは頻繁に使う人は大変だ。

近くならタクシーの方がお得だと言うのは本当だった。


電車に乗るとギュウギュウ詰めになりながらも、これからの出会いに心がときめいてくる。

金曜の夜といえば、ロンドンではレストランもいっぱいになり、休日前夜の大切な夜になる。

そんな時間に、日本から来た業者が突然電話をかけてきて、
すぐに尋ねてくるなんて、考えてみたら良く了承してくれたもんだ・・・

ほんとうに嬉しいけど、悪い気がしてきた。

でももしかしたら駅には警戒して来てないかもしれない・・・

もしそうだとしても仕方ない。

そんなことを考えながらも心の奥ではワクワクしている。


駅に到着してエスカレーターを上がっていく。

終点に近い駅なので人も少ない。

改札を出ると見たことがない、若い女性が僕のほうを見ている。

ミスターサカイ?

イエスと言うと、兄が車で待っているから付いて来て、と歩き出す。

外に出ると駅の出口になんと靴屋さんがある。

それも素敵な皮靴が沢山並んでいて、物凄く安い。

びっくりしていたら、こっちよ!とせかされた。

駅のロータリーを渡ると、ここでしばらく待ちましょうと言ってくれた。

大きい回転交差点で、一度向こうに行くと、なかなか帰って来れないのよ・・・と嘆いている。

時間を見ると夜の6時半を過ぎている。

お母さんはどうしたの?などやぼな話はしないほうが良さそうだ。

きっと家に連れて行ってくれるに違いない。


兄弟まで巻き込んでしまい申し訳ない気分だが、
こんな遠いところまで来て、イギリス人の家に今まさに招かれようとしている。


ドールショーは無くなったけど、まさかこんな展開になるとは・・・


出発前に店長日記に、色々な変更があるらしいけど、これも吉兆だと思い・・・と書いたがまさに言霊になった!


お兄さんがようやく到着して、車から降りて来てくれた。

挨拶を交わすとさぁどうぞ、と後部座席に乗り込んだ。



今から行くクレアさんのお家にはいったいどんな子達が待っているのだろう・・・


大きいゴーティエがいるのは間違いない。


ドールショーには出したことがない、コレクションが沢山あるのだろうか・・・

スピードを上げて走る車中から、ロンドン郊外の住宅街の明かりを見つめながら心を弾ませる・・・・


続く
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