アンティーク買い付け物語ツアーの実現を記念して、今までの買い付け物語を、店長日記から抜粋してまとめました♬ 順次ご紹介しますので、是非ご覧下さい♬
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☆アンティーク買い付け物語☆第22話☆

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前回の続き・・23歳の頃・・・

濃い霧の中、パリの街へ飛び出す。

朝10時なのにまだ霧が消えない。

初日の今日は、蚤の市などもないので、本に書いてある観光名所や、行きたい店などをまわるつもりだ。

パリの地図でみると中心からかなり上の場所のホテルなので、
まずはパリといえばやはりエッフェル塔を目指そうと思うけどかなり下に行かないといけない。

地下鉄マップを見て、場所をチェックする。

ホテル近くの駅に到着し、旅行者に便利だと書いてある、回数券を買おうと、列に並ぶ。

地球の歩き方はホントに便利だ。

こんな情報まで細かく書いてあり、この本さえあればどこにでもいけそう。

順番が近づいてくるとドキドキしてきた。

飛行機内で勉強したフランス語の実践がついにやってきた。

昨日のカフェでは大丈夫だったけど、回数券は買えるだろうか・・

ボンジュール  アン・カルネ・シルブ・プレ・・・

緊張して声が裏返りながら話すと、料金が表示された。

やった!

昨日と言い、今日も大成功だ。

メルシー!と言って、改札に向かう。

次は地下鉄の乗継だ。

日本と違い、音声の案内はないとのことなので、
ひたすら駅の名前をみておかないといけない。仮に音声の案内があってもわからないけど・・・

40分はかかったが、乗り継ぎもスムーズに行き、目的地に着いた。

初めてのパリで単独行動で、地下鉄も乗りこなし、自信に溢れて、颯爽と屋外へ出る。

少し先だが、あのエッフェル塔が目の前に見える。

関西では通天閣があるが、細かい骨組みで繊細で、フランスらしい作りだ。

通天閣のように、日立の看板や広告など何もない。

商売人の町、大阪らしいけど、通天閣も看板が無ければまた雰囲気が違うと思う。

ブラブラ歩いているうちにお腹が空いてきたので、お店を探す。

日本食などは全然無く、カフェが多い。

高そうなレストランを避けて、エッフェル塔が見えるカフェのようなレストランに入る。

そして外の席に座り、塔を見ながら、オーダーを待つ。

ギャルソンと言われる店員さんが挨拶をしながら、メニューをくれた。

メニューを見ると、価格は数字なのでわかるが、文字は全てフランス語で、英語表記がない。困った・・

もう少し大きい店なら英語のメニューもあると、本に書いてあったのに、
塔が見えるところで、安そうな店にこだわり過ぎて忘れていた・・

本の後半にミニ辞書がついていたかも、と探そうとしたら、
中の席で、中年の男性がランチみたいな物を美味しそうに食べている。

肉か魚かわからないけど、赤いソースがかかっていて美味しそう。

あれと同じのでと頼もう・・でも何て言えばいいのかな・・

英語ならセイムだけど、フランス語は?

小さい辞書を出そうとしたら、ギャルソンがやってきた。

間に合わないので、男性の方を指差し、セイム・シルブプレ・・と英語と
フランス語がごっちゃになったヘンテコリンな言葉を口にした。

するとギャルソンは、ニッコリわらって、メルシーと言って奥へ行った。

良かった・・・

どうにかなるもんだな。

とはいえ、セイム・シルブプレとは・・・
周りに誰もいなくてよかったけど、おかしすぎる。

でもここで一人で笑っているともっとおかしい人に思われるので
こらえながら塔を眺める。

しばらくしてでてきた料理は、美味しそうだが、一口食べてみると、癖がある。

羊の肉だ。

生まれて初めて食べるが、牛や、鳥と違いかなり癖が強い。

でもソースは美味しいので、たっぷりつけて食べる。

僕は羊年なので共食いだな、とか考えながら完食した。

ライスはもちろんついてなく、パンではなくて、日本でいうと、フライドポテトが山盛りについている。

かなり大きくて量もすごいので、お腹がいっぱいで苦しい。

食べ終えたのをみて、ギャルソンがデザートはどうみたいな事を聞いてくる。

アン・カフェオレ・シルブプレ。 これは完璧なので自信満々に注文する。

カフェオレを飲みながらエッフェル塔を眺めていると、
さっきよりも人が沢山歩いている気がする。それも足早で歩いている。

精算は席で行なわれ、精算が済み、おつりを受け取ると、ギャルソンへのチップを計算して、小銭を置き、席を立つ。

本にギャルソンは、チップがお給料みたいなものなので、忘れないようにと書いてあった。

日本には全くない習慣なので、慣れるには時間がかかる。

さぁ、次はルーブル界隈に行こう!

腹ごしらえも終えたので、はりきって歩いて、地下鉄の駅へと向かう。

時間を見ると14時ごろなので、モナリザを観に行こう。

駅が見えてくると、人が入り口付近に溢れかえっている。

何かあったのかな?

入り口を見ると門が閉ざされている。

どういうことかわからないので、誰かに聞こうと隣の男性に話しかけると、
ペラペラのフランス語が返ってきた。

わかるわけがない・・・

事故なのか何なのか、検討もつかない・・

すると向こうのほうから、日本人らしき女性が歩いてきた。

思い切って声をかけると、日系人でフランス語しか返ってこない・・

がっかりしていると、後ろから肩をトントンと叩かれた。

振り向くと、会釈をする日本人の女性だった。

僕の様子を見ていて声をかけてくれた。

どうなっているんですか?と聞くと、ストライキです、と答えてくれた。

僕は呆然として、バスは乗れますか?と聞くと、
地下鉄、バスもストで、タクシーはまずつかまらないですよ、とのこと。

その女性は2年前から留学でパリに住んでいて、事情には少し詳しいと話していた。

僕はありがとうございましたとお礼を言って別れた。

本当に親切な人だ。

あわてふためいていた僕を見て、助けてくれた。

あの女性のおかげで、事情はわかったけど現実的に考えて、
交通手段は全てないということになる。

それにしても現地係員のアキラは昨日何にも言ってなかった。

電話をかけてみようとカバンの中に電話番号を書いた紙を探すが見当たらない。

部屋のテーブルにおいたままだ・・・

広げると一枚でパリ市内が全てわかる、観光マップを見る。


エッフェル塔は少し下で、ホテルへの道のりはなんとなくわかる。

ただ電車で40分というと歩けばどのくらいかかるのか・・・

でも歩くしかない。

選択肢はないので、マップをみながら歩き出した。

せっかく順調なスタートだと思った初めてのパリ・・・

初日からこんなトラブルに巻き込まれるとは・・

電車で5分だと、歩くと3、40分かかるだろう・・・
とすると40分なら、と頭の中で計算ばかりが思い浮かぶ。

ザッと思い浮かんだ時間は5時間はかかるかも・・・と決意してエッフェル塔を後にする・・・


続く
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