アンティーク買い付け物語ツアーの実現を記念して、今までの買い付け物語を、店長日記から抜粋してまとめました♬ 順次ご紹介しますので、是非ご覧下さい♬
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商品詳細

☆アンティーク買い付け物語☆第20話☆

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テディベアー専門店の店主がいないので、しばらくクマ達と、この小さいお人形を手に取り、待っていた。

すると少し大きめの男性店主が戻ってきた。

優しそうな目がメガネの奥に見えていて、笑顔で挨拶を交わして来た。

さっきの女性店主とは違い、簡単に終わると早速価格を教えてくれた。

そしてテディ専門だが、母親がコレクションしていたのがこの子で、頼まれて持ってきたとのことだ。

価格はまずまずだが、値引きを頼むと、携帯を取り出し、
後ろを向いて小さめの声で話しているが、ハッキリとママと聞こえた。

30歳前後だと思うけど、ママと呼んでいて、話し方も、ママには頭が上がらないという感じだ。

これは無理かも・・・と思っていると2割ぐらい引いてくれた。

ロンドンでは平均1割ぐらいしか値引きはないので、
やはり今回は商売ではなく、ママの預かり品なので特別なんだ。

それにこの店のクマは高くて、僕の店よりも高い子が多いので、昔一度だけハリネズミのおじさんを買ったぐらいだ。

お礼を言って、頂きますと言うと、ニッコリ笑って梱包してくれた。

そしてお金を渡し離れると、早速電話をかけている。

すぐ横の列に行っているので離れても表情は見えるが、とても喜んでとびきりの笑顔で話している。

きっと、ママのお人形を僕が売ってあげたよーと報告して、あなたはすごい子ねーと褒められているんだ。

どちらかと言うと寡黙な人なので、あんな表情は初めてみた。


この子はそんな素敵な親子の元で過ごしてきたんだ。

きっとまた同じような仲良し親子の家にご縁があるに違いない。

僕達よりも長く生きてきているお人形。


作者により年数は違うが、100年前後もこの波乱の世の中を生きてきている。


なのでどういう歩みをしてきたかは、その子の表情に出ると思う。

やはり辛い思いをしてきた子はそんな表情をしているし、
この子のように、仲良し家族の元で可愛がられている子はとても明るい表情をしている。


だから僕はその流れがわかる子しか選ばないことにしている。

でもどちらにしても、100年も色んな人の手に渡り、
現在も行き続けているお人形やアンティーク達は、強運な事は間違いない。

だからイギリスではアンティークはGOOD LUCKだし、ほとんどの人たちがアンティークを生活の一部にしている。

さざまざな時代や、人々の手に渡り僕の元に縁があって来る、お人形やジュエリー。
このドールショーはそんなロマンや、夢を抱きながら世界中から人が集まる。

上の階から歓声が聞こえてきた。

時計を見ると11時だ。いよいよ開店した。

今までは出会いを求めて歩いていたけど、今からの時間は、
人々の出会いと感動の瞬間を眺めながら、もう一度周り、綺麗に飾られたお人形達を眺めよう。

そしてその後はカフェで休憩をして、お宝自慢大会に加わり、皆さんの至福の顔を見て幸せな気分で帰ろう。

麗しのドールショー。いつまでもこの場所に来れますように☆☆☆



つづく
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