アンティーク買い付け物語ツアーの実現を記念して、今までの買い付け物語を、店長日記から抜粋してまとめました♬ 順次ご紹介しますので、是非ご覧下さい♬
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☆アンティーク買い付け物語☆第14話☆

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僕が26歳の頃の話・・・

今朝は目覚めがとてもいい。

なぜかというと、昨日のポートベローで、去年会って以来、
姿を見かけなかったオーストリア出身の婦人と、ようやく会えた。

その婦人はウィーン出身で、イギリス人と結婚してロンドンに住んでいるが、
娘さんはウィーンにいて学業をしながら、お母さんの仕事の手伝いをしている。

婦人はポートベローやホテルフェアーなどのイベントでジュエリーを扱い店を出している。

ロンドンでは手に入りにくいオーストリアのジュエリーを、昔の知り合いなどから、娘さんを通じて手配して、ロンドンで販売しているのだ。

僕はオーストリアンハンガリアンと言われる、歴史主義的な彫刻をした、
ジュエリーが大好きで、それはもう今では再現できない素晴らしい作りに惚れ込んでいる。

例えばブローチでは宝石も鮮やかだが、つけると全く見えない裏までも繊細で緻密な彫刻をしていて、
今現在ではありえない時間をかけた作りで、まさにアンティークの醍醐味を感じるジュエリーだと、心の底から惚れ込んでいる。

アールヌーボーのアーツ&クラフトにも似た作りだが、
色使いは少し違いゴージャスでいてカジュアルにも使えて機能的なところもいい。

婦人としばらく会えなくてどうしているのかと心配もしていたし、
ハンガリアンのジュエリーも在庫が底をつき、もう婦人ともあえないとなると、買えなくなるかもと、二重の心配の種になっていた。

その婦人がポートベローの奥ばった場所で、去年から今回はいるかも・・・と何回も通い続けては、
またいない・・・とがっかりと帰るくり返しで、昨日もいないだろうなと思いながらも、足を運ぶと、
とてもふくよかな頬っぺたがチャーミングな婦人が、オーバーなゼスチャーで、オー、ミスターサカイ!と迎えてくれた。

そして事情があり、ウィーンに帰っていたことや、手帳を忘れて連絡ができなかったことなど、
矢継ぎ早に話が飛んできて、そんなに早く話されると英語がわからないから、
ゆっくりと話してと頼むと、椅子に腰掛けてジュエリーケースを出してくれた。

すると凄い数のハンガリアンのジュエリーが目に入る。

それも今まで見たことがない、カメオでフレームがハンガリアン独特の、天使や動物の彫刻、
宝石に飾られた、素晴らしいブローチやネックレス、リングなどが所狭しと並んでいる。

婦人はやはり、娘ではなく、自分が行くと知人などが沢山分けてくれるし、娘には行かす事ができない、
へんくつなコレクターなどからも分けてもらったのよ、と自慢げに話す。

そして帰ってきたのは先週で、今日半年ぶりに店を出したと聞き、
これはかなりラッキーで、やはり縁があるのだと、嬉しくなり、
価格もロンドンのオークションの約半額で分けていただけるので、
婦人が仕入れてきたほとんどの20点のハンガリアンジュエリーを買うことが出来た。

これで心配の種の二つが一度に解消できたので、
日曜の朝はとても目覚めが良く、夕べも眠りにつくまでの間、ジュエリー達をずっと眺めていた。

朝見てもどれも素晴らしく、ほんとに良かったと、今朝の天気と同じで晴れやかな、最高の気分だ。

朝ごはんを終え、部屋に戻り、ガゼットという、アンティークオークションとフェアーの新聞を見る。

今日はありふれたホテルフェアーしかなく、どうしようと3日前から考えていたけど、新聞に気になる情報があり、チェックしていた。

LEICESTER ANTIQUES BIG FEAR OVER500STAND CITY HALL

これは面白そうだ。

それにLEICESTERと言えば地下鉄に駅があるし、
そんなところで大きなフェアーなんて今までなかったので、これは新発見だ!と気になっていた。

昨日の再会で心も軽かったので、よし行ってみようと、
新聞を握り締めてホテルを出る。

シティホールならタクシーの人に言えばすぐに向かってくれるだろうと、
タクシーをつかまえて、レスターシティホールへ!と声高らかに運転手に声をかける。

すると、びっくりしたような顔をして、パードゥン?と聞き返す。

それで発音がわかりにくいのかと思い、新聞を見せる。

運転手は老眼鏡を取り出すと、あきれたような顔をして、
こんなところにいけるはずがない!と大きなゼスチャーで話す。

僕は地下鉄でも行ける所では?と言うと、
それはLEICESTER SQUAREで、LEICESTERと言う所は、列車で2時間はかかるぞ!

僕は昨日からのウキウキ気分も吹き飛び、運転手にソーリーと謝ると、部屋に戻った。

そしてイギリスの地図をフロントに借りて見てみると、
ロンドンからかなり北の位置にレスターシャーと書かれていた。

知らなかった・・・

時計を見るとまだ9時過ぎだ。

タクシーで行ける所ではないが、心の中でどうしても諦めきれない。

電話してみよう。

新聞にはフェアーの場所の欄に受付の電話番号が書いてある。

部屋を出て公衆電話でかけてみると、親切そうな女性が出た。

ロンドンからどのくらいかかるか、どの路線で行けばいいか、駅から近いかなど質問すると、丁寧に教えてくれた。

時間待ちなどを計算して、3時間かかるとるとしても昼頃には着く。

行ってみよう!

落ち込みかけていたが、今度は好きな旅に出かけることが出来るんだと、心が弾みすぐにホテルを出る。

どんな所だろう。どんな店が出ているだろう。

昨日ジュエリーを沢山買えたから、きっと人形や、可愛いぬいぐるみ達がいるに違いない!

歩きながら色んなことが頭に浮かび、ぬいぐるみの顔まで出てきた。

妄想狂の本領発揮だ!

きっといい出会いがあるに違いない・・・・

続く・・・
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