貴方との出会いは数年前…
巴里のシテ島のガス灯の残る、19世紀の街並み。
そこのマダムのコレクション。
僕はシャンゼリゼや凱旋門などの有名な場所よりも、巴里の中ではシテ島が好きだ。
次に好きなのはシャルルアズナブールの歌に出てくるモンマルトル。
シテ島は現代に取り残されたような…いや、そうではなく、いつまでも変わらない強い意志も感じる不思議な場所。
貴方とはそんな不思議な場所で出会った。
コーネリアンに彫刻をしたお花。
ペルシャ湾の真珠。
女性のお守りになるローズクォーツのお花。
アクアマリン、シトリン、ガーネット…
数えきれない数の宝石達が埋め尽くされた御花畑。
様々な花言葉、宝石言葉を考え、着ける婦人に幸せが訪れるようにと、願いを込められてこの世に生まれたリング。
90年の年月を感じさせない輝きを見ると、やはり幸せを導いて来られたんですね。
シテ島のマダムは2代目だと言う。
貴方はどんな時でも機嫌が悪くなること無く、綺麗な輝きを見せてくれる。
無償の愛。
お花も、この宝石のお花も、人々に無償の愛を分けてくれる。
本物のお花は香りでも癒してくれる。
宝石のお花には香りがない。
だけど枯れる事なく、永遠の輝きを見せてくれる。
指につけると、貴方以外のリングの存在を許さない表現力。
貴方は一途な星も持っておられるんですね。
無償の愛を分けてくれて、一途、そして強い。
まさに貴方がパートナーなら心強い。
だから僕の所に来てくれたんですね。
何故なら、僕はいつも女性に助けられているのです。
だけど貴方は、女性の指にしか似合わない。
やはり、いつかは別れが来るんですね。
出会いがあるから別れがあるのは当然です。
だって、貴方はシテ島のマダムとも別れて来たんですから…
僕達人間がいなくなっても貴方はずっと素敵なお花でいられる。
いつまでも、私たちを励ましてくれる、永遠のお花のリングの貴方へ。
心から貴方との出会いに感謝いたします。
2013年9月2日 坂井 陽一
こちらのアンティークは、東京へお嫁に行きました♫
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