アンティーク買い付け物語ツアーの実現を記念して、今までの買い付け物語を、店長日記から抜粋してまとめました♬ 順次ご紹介しますので、是非ご覧下さい♬
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☆アンティーク買い付け物語☆第65話☆

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2012年の買い付けの話しの続き…

ラッキーフードのイタリアンを食べて、デザートと美味しいコーヒーを飲み終えてオークション会場へと戻る。

会場に入ると沢山の人で賑わっていた。

2階にのぼり、まずは左側の時計のオークション会場へ入り、1番後ろの席を確保した。

ここからドール会場へとスムーズに移動して両方とも参加しようと決意を新たにする。

そしてドール会場ではドアから近い席をキープ。

問題は目当ての物が同時にかけられた時だけ…

それは運に任せるしかないし、縁のある方にいけるだろう。

ドールオークションは開始まであと30分。

時計が先にスタートする。

時計の部屋に入ると沢山の人で席は埋まっていた。

カタログを置いていた席に戻るとプリント用紙が置いてある。

読んでみると何品目かの商品が出品中止になっていた。

僕の目当ての物が該当するかチェックすると、全て年代の新しい腕時計だったので大丈夫だ。

一安心して前をみると、レディース&ジェントルマン!とオークションがスタートした。

そしてプリントの内容を説明して懐中時計がスタートした。

今回はエナメルを使用した素晴らしい懐中時計が3点出ている。

そのうちの裏表紙に出ている綺麗な花柄の時計はライバルが多そうだ。

斜め前から視線を感じたので見てみると、アンティークマーケットの高級時計屋さんの店主だった。

笑顔を返すと笑顔を浮かべずにウインクを返してくれた。

すると僕の隣に座っていた若いカップルが、その店主にハイ!と言って肩をたたいた。

店主は顔をみると満面の笑顔を浮かべて手をさしだし、握手をして挨拶を交わした。

すぐ隣なので話している内容はわかるけど、どうやら大事な顧客みたいだ。

それもかなりのお金持ちみたいで、前に分けて頂いたパテックも良かったけど、
今店にあるオーディマピゲも来月にお金が入れば貰いたい、など、高級な話をさらりとかわしている。

ロンドンでは一般の方も、業者もコレクターも、みんな参加してオークションが成り立っている。

なので、隣の席に同業者や、お客様などと一緒に競り合う。

それで商売が成り立つという非常にオープンな市場だ。

買値などが全てわかるけど、それでも成立する市場なので、
ロンドンでは10%から30%の手数料を頂くという販売方法が浸透している。

不動産などと同じで分かりやすい。

だから隣の人のように、自分が通う店舗のオーナーと同席してもお互いに全く気にしない。

競り合う事もあるだろうし、逆にその時は興味が無くても、
プロが競り落とした安心感で、後日に、やはり前のオークションの物を分けて欲しい、と店を訪ねる。

すると、落札価格は10万円で、オークション手数料が3万円で、
店の手数料が2割だと26000円をつけて156000円で購入することになる。

なのでとてもオープンであり、なおかつ良心的な商売をしないとロンドンでは生きて行けない。

だからこそ、オークションではみんなが必死で自分の審美眼と予算を立てて平等に競り合う。

業者もコレクターも、一般の方も…

僕も去年に日本で開催した板橋美術館のドールオークションで、ロンドン方式で販売した。

あまり日本では業者が買値の分かる方法では参加しないけど、
僕は自分が好きなものをオープンに買いつける方法でしてきたので、会場に行き沢山落札した。

もちろん、予算を決めているので、半分くらいは負けたけど…

そして落札価格がいくらで、オークション手数料が15%、
まねきねこの手数料が20%で販売価格はいくらです、と表記して販売したら、なんと10日以内に全て完売した。

身内のスタッフが、買値が分かっているのにいったいどうやって販売するんですか?
と心配していたが、全くの心配無用だった。

僕はつねに、自分の好きな物しか買い付けはしない。

注文も一切聞かないし、とにかく自分が惚れ込んだ物だけを揃え、
売れてしまえばちょっとガッカリ、残れば自分のコレクションと思って大事にする。

なので場所がヨーロッパでも日本でも、気に入ったアンティークがあれば、堂々と買いつける。

もちろん惚れ込んでも予算などで縁の無い物あるけど、
自分が惚れ込んだ物をだけを並べる時や、改めて持って帰った時などは至福の時間になる。

そして同じ価値観を持った方との出会いで、橋渡しをする。

日本の板橋美術館のドール達は、衣装も素晴らしく、オーナーの愛情が詰まっている。

なのでオープンな販売方法であったにも関わらず、すぐにそれぞれの素晴らしい所にお嫁に行った。

やはり日本でもオープンな市場での商売はあり得ることが分かった貴重な経験だった。

皆さんの意見の中では、自分では自信が無くて落札出来なかった、
遠くて行けなかったけど、憧れの美術館の子を手に入れることが出来ました、
など嬉しい言葉を沢山頂けてとても嬉しい結果になった。

ロンドンの方は常にそういう商売をしているので、気持ち良く出来ているんだなと思った。

なので隣の方も前の業者も全く普通の感じでにこやかにしていた。

そんなことを考えている間に、エナメルの素晴らしい時計の番がやってきた。


始まると中に入っていけないほど白熱している。

落ち着くのを待ってから参加しようと考えている間に、僕の予算をはるかにオーバーして行った…

残念…

いきなりの敗北だ…

そして続けて裏表紙の素晴らしいブラックエナメルの懐中時計。

開始するとまた物凄い白熱…

今日は中々厳しい…

また予算を倍ほどオーバーして終了した。

そして3つ目のグリーンのエナメルの素晴らしい懐中時計がスタートした。

今回は何とか競りに参加しようと頑張り、札を上げた!

すると会場の1番前の紳士と一騎打ちになった。

あっと言う間に予算に近づいて来たが、その辺りでピタッと終わった。

札を大きく掲げて番号を読み上げてもらい、落札が成立した。

良かった、今日は買えないかと思うほど盛り上がる時計オークション。

時計をみるとドールオークションのスタートの時間だ!

慌てて席をたち、カタログを置き、隣の部屋へ。

レディース&ジェントルマン!と、ちょうどスタートした。

ハンマー役は初めて見るベテランの男性だ。

やはり最後のロンドンドールオークションなので古株が出て来て有終の美を飾るんだろう。

早速、ファーネールのドレスベアが出て来た。

気合を入れ直し、時計の札をカバンに入れ、ドールの札を持つ手に力を込める。


続く。
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