アンティーク買い付け物語ツアーの実現を記念して、今までの買い付け物語を、店長日記から抜粋してまとめました♬ 順次ご紹介しますので、是非ご覧下さい♬
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☆アンティーク買い付け物語☆第56話☆

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僕が27歳の頃のお話・・・


今朝のロンドンはどんよりと曇っている。

今日は蚤の市もなくゆっくりと朝ごはんを食べ終わり、近くの売店に新聞を買いに出た。

眼鏡のアラブ系のお兄さんがハイ!と挨拶をしてくれた。

いつもの新聞を取り、お金を渡しホテルに戻る。

今日は初めてジュエリーオークションに挑戦する記念の日だ。

ドールオークションは経験したけど、ジュエリーは初めてだからどんな雰囲気なのか全くわからないけど、ドキドキするのは間違いない。

部屋に戻り、新聞を読み、リラックスしようとするがやはり緊張してきた。


10時から下見が出来るけど、部屋にいるとあれこれと考えてしまうので、早めに向かうことにした。


枕にチップを置き、外へ出る。

9時過ぎなので、ホテルの並びにある、幼稚園児が綺麗なブルーの制服を着て、ベレー帽をかぶり通学している。

子供たちを通り過ぎ、駅へと向かうが、今朝は人が多い。

駅に着くと更に人が多くてごった返している。


アナウンスが何度も流れているので、じっくりと聞いてみるとブリティッシュレイルがストで列車が動いていないらしい・・・


フランスでもストを経験したけどロンドンでは初めてだ・・

僕が乗る地下鉄は動いているみたいなので、大勢の人をかき分けて地下へもぐる。

サウスケンジントンへ向かう電車も、ストの影響か満員電車。

日本でしか経験がない満員電車だったけど、こちらは駅員が全くいないから押してくれたり注意したりもない。

乗ろうと思っていた車両も全くスペースがないのであきらめて次の電車を待つことにした。


でも次もいっぱいならどうしようか・・

10分ぐらいで来た電車もやはりいっぱいだ・・

僕の横にいた紳士が、オーマイガッ!と言いながら出口へと歩きだした。

それを見て周辺の人達もあきらめて上に上りだした。

僕もそれに続き、改札に行くと、駅員がいて、出口を開けてくれていた。

そのチケットは帰りにお使いください!
もしくは清算を!と声をかけている。

窓口を見ると長蛇の列だ。

サウスケンジントンまでは二駅なので、もう歩いて向かおう!と決意して歩き出した。

道はタクシーに乗った時にだいたい覚えている。

タクシーで20分かからないので1時間ぐらいで着くかな、と計算する。

幸い、ドールオークションなら大荷物になるけど、ジュエリーは小さいので心配ない。

早速歩き出すが、沢山の人が歩いていて歩道も混んでいる。

背が高く足の長い人が多いので、次々と抜かれ、雪辱を味わいながらめげずに歩き続ける。

日本では抜かれることがまずないのにな・・・

古い建物の並びを歩きながら、今までゆっくりとみていない建築物が良く見える。

素敵な散歩になりそうだ。

早歩きはあきらめて、素敵な景色を楽しみながら歩くことにした。

どんどん歩いて時計を見るともう45分経っている。

でも感覚では半分ぐらい来た感じなのでまだ45分はかかりそう・・


1時間ではやはり無理だ・・

オークションは1時からなので間に合うが、下見が午前中なのでゆっくりと見れないかも・・

景色はほどほどにして、歩くスピードを上げる。

15分ぐらいたつと、最後の煉瓦の壁が1キロほど続く、いわゆる最後の直線コースが見えてきた。

これを抜ければ駅があり、ロータリーを曲がればオークション会場がある。

先が見えてきたのでさらにスピードを上げ歩き続ける。

この道は煉瓦の壁だけでほんとに何もない・・

壁の向こうには何かがあるのだろうけど全く見えない。

ゴールが迫ってきて足取りが軽くなる。

駅に着くと、ロータリーを曲がり、スーパーカーの販売店、ランボルギーニーが見えてきた。

今日は真っ白なランボルギーニーがショーウインドーに飾られていてドアも天に向かって伸びている。

もう100メートル程で会場がある。

会場の旗が見えてきた。

時計を見ると11時過ぎ。

1時間はないが何とかチエックは出来るかな。

入口に入る前に、カバンの中の水と、バナナを取りだし、路上で食べる。

さすがにジュエリーオークション会場では食べられないだろうから、少し腹ごしらえを
して、下見に向かおう。

バナナを食べていると、リムジンのような大きい車が横づけされて、お金持ちそうな紳士が運転手がドアを開けて出てきた。

さすがはオークションだ。

それに比べて僕はストで1時間以上も歩いてたどり着き、
入口でバナナを食べて、その紳士と同じオークションに行き、アンティークを落札しようとしている。

大きな格差だけど、歩いてたどり着いたオークション。

マラソンを完走したかのように、気持ちが充実しているので、気後れすることなく参加できる気分がする。

朝のような緊張感もない。

予算は少ないけどきっと素晴らしいオークションになりそうな気がする。

バナナを食べ終わり、重たい大きな木の扉を開けて、オークション会場へと入っていく。




続く
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